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2020年(令和2年) 6月5日(金)付紙面より

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県「新・生活様式」宣言に関連2事業開始

 2日に行われた「県『新・生活様式』宣言」に関連し県は3日、「新型コロナ対策宣言店応援事業」と「協力と団結で新型コロナウイルスを克服する福祉事業ネットワーク(介護・障がい等)プロジェクト」の2事業を開始すると発表した。同日、県庁で記者会見が開かれ、担当部署の防災くらし安全部と健康福祉部が説明した。

 新型コロナ対策宣言店応援事業は、緊急事態宣言が解除されたものの飲食店などの事業者、消費者とも店の再開や利用に不安を抱えており、客足が戻っていない状況にある。県民が安心して飲食店などを利用できる環境整備のため、県が市町村と連携して感染防止対策に取り組む事業者を支援するもの。

 具体的には、「消毒薬設置」や「客席の間を離す」、「定期的な換気を実施」といった感染防止対策に取り組む事業者に対し「新型コロナ対策宣言店」と表記された木製プレートを、市町村を通して交付する。また、県のホームページに宣言店の紹介を掲載する。対象となるのは飲食店や飲食部門を持つ宿泊施設などで、県は約3500事業者への交付を想定している。プレートは県産木材を使用する。

 交付を希望する事業者は市町村に申請し、市町村がプレートを交付する。プレートの製作費は県が2分の1、残りを各市町村が負担する。先行して類似の取り組みを始めている鶴岡市などにも申請の取りまとめを呼び掛けるという。

 木製プレートは縦15センチ、横21センチ、厚さ0・8センチのサイズで、防災くらし安全部は「客に見えるよう店内外の目立つ場所へ掲示してもらいたい。現在、申請の申込書を作成しており、7月中にはプレートの交付を開始する」と話している。

 一方、協力と団結で新型コロナウイルスを克服する福祉事業ネットワーク(介護・障がい等)プロジェクトは、新型コロナの再度の感染拡大に備え、市町村や関係団体と連携し県内全ての福祉事業所(介護関係約3000事業所、入所・通所を含む障害関係約1000事業所)を対象に、感染防止対策の強化と事業サービスが継続できる仕組みづくりを進めるもの。

 事業所の感染防止対策強化は、市町村と連携しながら自主点検の実施と実地指導を行う。今年3月31日以降、県内で新型コロナの感染が拡大した際、最上地域の福祉施設で職員や入所者を含むクラスター(感染者集団)が発生した事例を踏まえ、「ドアノブやロッカールームなど不特定多数の人が触る箇所を定期的に消毒しているか」や「職員の健康観察を定期的に実施しているか」といったチェックリストを作成し、各事業所に自主的な点検を促す方針。

 さらに市町村や地域の医師会と連携し、県内各地域の保健所の主導による「感染対策チーム」を設置。対策に改善が必要な事業所へ同チームを構成する県職員や保健所職員を派遣し指導するとともに、地元医師による助言なども行う。

 また、サービスを継続できる仕組みづくりは、感染症発生時を想定した事業継続計画(BCP)の策定や代替サービス提供体制の構築に向け、県が支援する。施設職員が感染した際、同じ時間帯に勤務していた同僚が自宅待機による健康観察が必要になるため、同地域内の別の福祉施設から職員を派遣するなど、福祉施設相互のネットワーク構築なども予定している。

 このほか県が行う福祉事業所への支援システムとして、▽感染予防や事業継続に関する講習会、事例検討会の開催▽メーリングリスト(複数者に同じ内容のメールを送信する仕組み)を活用した相談体制の確保▽マスクやアルコールなど衛生・防護用品を各総合支庁に備蓄▽感染症が発生した施設の職員に対する「心のケア」のための専門家派遣―などを整備する。

 両事業とも、県議会6月定例会(16日開会)で補正予算案を上程する。

 県の「新・生活様式」宣言は、2日に吉村美栄子知事が発表した。新型コロナウイルス感染症の第2波を想定しながら、3密(密閉・密集・密接)を避けるなど「新しい生活様式」の定着を幅広く県民に訴え、感染予防と県内経済回復の両立を図りながら、安心して生活できる環境づくりに取り組む。


2020年(令和2年) 6月5日(金)付紙面より

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鶴岡アートフォーラム 岸田劉生の画歴紹介

 鶴岡市の鶴岡アートフォーラム(平井鉄寛館長)で2日、大正から昭和初期にかけて活躍した画家・岸田劉生(1891―1929年)の作品を集めた「岸田劉生展―写実から写意へ―」(荘内日報社など後援)が始まった。長女・麗子をモチーフにした作品のほか、ポスト印象派から古典的な写実、晩年は日本画へとそれぞれ傾倒していった生涯の画歴を紹介している。

 同館が年2回主催している特別展覧会の一つ。当初は4月中旬から5月末までの開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で4月7日から休館になったため、約2カ月ぶりの開館に合わせ、会期を「6月2―28日」に変更して開く。

 展示したのは、風景や麗子をモチーフにした肖像などの油彩画をはじめ、文芸誌「白樺」や親交が深かった武者小路実篤の著書の表紙などの装丁画、晩年に傾倒した日本画など合わせて約160点。大半が笠間日動美術館(茨城県笠間市)、一部がひろしま美術館(広島市)や個人の所蔵品だ。

 このうち油彩画「自画像」(1913年作)は、ゴッホやセザンヌらのポスト印象派に傾倒していた時代の作品で、光や色彩の表現を模索している印象だ。一方、妹・照子を描いた同「支那服を着た妹照子像」(21年作)は、筆の跡が分からない写真のような写実的な表現を追究している。日本画は、竹林の中で楽しそうに遊ぶ子どもを描いた「竹林七童図」(24年作)など自由奔放なタッチと世界観が、見る者を和ませる。

 平井館長は「岸田は照子像を描いている途中、『この絵はかたくなった』と描くのをやめ、完成まで2年近くかかった。写実的な描き方に違和感を募らせ、次第に自分で感じた美的な価値観や、自己や対象の本質、本意を描くようになり、それが著名な麗子像や日本画につながっていく。晩年の日本画はあまり知られておらず、新たな岸田像が見えてくるのでは」と語った。

 観覧料は一般500円、高校・大学生300円、中学生以下無料。月曜日は休館。新型コロナ対策でマスク着用や会場入り口での検温、距離を離した鑑賞への協力などを呼び掛けている。問い合わせは同館=電0235(29)0260=へ。

鶴岡アートフォーラムで、再開に合わせ始まった岸田劉生展
鶴岡アートフォーラムで、再開に合わせ始まった岸田劉生展



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