2021年(令和3年) 10月8日(金)付紙面より
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城下町・鶴岡の歴史を伝える「荘内大祭」が6日、鶴岡市の鶴岡公園と周辺で2年ぶりに行われた。「酒井忠勝公庄内入部400年前年祭」と銘打ち、子どもから大人まで市民約80人が砲術や三役奴(やっこ)振りなどの演武、舞などを披露したり、大名行列を組んだりして城址公園で華やかな歴史絵巻を繰り広げた。
旧庄内藩主酒井家の先祖を祭る荘内神社創建を記念し、1877(明治10)年に始まった祭り。一昨年までは8月に開催していたが、夏場の猛暑を踏まえ、大名行列が最初に行われた10月6日に合わせた。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、主催の実行委員会は今回、コロナ対策で参加者を例年の4分の1に抑え、くねる距離を短縮するなど規模を縮小して実施した。
鶴岡公園北広場で、来賓の酒井家第18代当主・酒井忠久さんらが見守る中、入部400年前年祭・疫病鎮静祈願の神事を行い、演武が披露された。同市鼠ケ関の辨天太鼓創成会の触れ太鼓、「荘内藩荻野流砲術隊」「荘内藩甲冑武者隊」による勇壮な演武、女子小学生の舞姫による「豊栄の舞」、男子小学生らによる三役奴振りが行われ、観覧の市民から拍手が送られた。忠勝公が庄内に入部した際の28歳にちなんだ公募で選ばれた同市本郷の難波竜次さん(28)が、庄内地域の発展を願う「藩主口上」を述べた。一行は北広場から県道に出て、表参道から同神社へと練り歩き、江戸時代の参勤交代を再現した。