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2021年(令和3年) 3月27日(土)付紙面より

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酒田「山居倉庫」 国史跡に指定

 国の文化審議会が昨年11月、萩生田光一文部科学大臣に答申していた酒田市山居町一丁目の米穀倉庫群「山居倉庫」の史跡としての新規指定が26日付の官報で告示された。市は今後、保存活用計画を策定する方針で、市中心部を流れる新井田川を挟んで対岸に位置する旧酒田商業高校跡地、県道吹浦酒田線を挟み南側に位置する消防本署跡地を含め「山居倉庫周辺エリア」と位置付け、魅力あふれる活用方法を探る。

 山居倉庫は1893(明治26)年、取引所法で定める付属倉庫として7棟を建設したのが起こり。昭和初期までに計14棟が建設され、現在はこのうち12棟が残る。土蔵と屋根の間に空気を通し換気を促す二重構造の屋根をはじめ、強い西日を避けるケヤキ並木など温度を一定に保つ工夫がされている。白い漆喰壁と黒い屋根瓦、ケヤキ並木は酒田を代表する景観にもなっている。近年はJA全農山形と、庄内各JAの出資による「庄内倉庫」の2法人が所有してきたが、南側の第11号棟と第12号棟の2棟について市が取得し改修、2004年に市観光物産館「酒田夢の倶楽(くら)」としてオープン、北端にある1号棟は全農が「庄内米歴史資料館」、残る9棟は政府による備蓄米など米保管倉庫として現在も使われている。

 庄内地域全体の米倉庫体系を見直す中で、全農は山居倉庫について2022年度で利用を終える方針を打ち出している。これを受け、丸山至市長は2018年1月、国史跡指定後に市が買い取って保存・活用する方針を公表した。

 史跡指定に向け市教育委員会は同年11月、歴史的価値やその範囲、現状などを把握するため学術的な立場で協議する山居倉庫調査委員会(会長・田中哲雄日本城郭研究センター名誉館長、委員11人)を立ち上げ、昨年6月まで計5回にわたって歴史や学術的価値評価などを検討。さらに文化庁に提出する調査報告書と意見具申書の内容について意見を交わし、同7月末までに報告書・具申書を提出。同10月に国の文化審議会に諮問され翌11月20日、「近現代の米穀流通の歴史を知る上で重要な施設」として史跡指定を文部科学大臣に答申した。

 答申のあった11月20日、市と市教育委員会、倉庫を所有するJA全農山形と庄内倉庫は、山居倉庫で共同会見を開き、丸山至市長は「山居倉庫は酒田の宝。市が責任を持って保存活用計画を策定して魅力あふれる活用方法を決めたい」と話していた。

官報告示を受けて正式に国史跡に指定された「山居倉庫」=酒田市教育委員会提供
官報告示を受けて正式に国史跡に指定された「山居倉庫」=酒田市教育委員会提供



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