2021年(令和3年) 4月20日(火)付紙面より
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田中 望(たなか のぞみ)さん
今年2月から庄内町地域おこし協力隊に就任し、立谷沢川流域活性化センター「タチラボ」へ赴任。これまでの経験を生かし、タチラボを拠点に特産品の加工商品など6次産業化に取り組んでいく。
宮城県仙台市出身。東北芸術工科大進学を機に山形へ。大学の社会調査活動で庄内地域に関心を持つ。「月山が大好きで頂上小屋には何度も泊まった。『立谷沢』の地名も学生時代に知り、関心を寄せていた」と語る。
同大洋画科から同大学院(芸術工学科)へ進み、修士課程修了後、地元仙台の「せんだいメディアテーク」へ就職。企画活動支援室に勤務し、学芸員補助として文化活動や東日本大震災の記録などの展示に携わってきた。
学生時代から将来は中山間地域で暮らしたいと思っていた。前職を退職し、地域おこし協力隊になりたくて探していたら立谷沢地域の募集を見つけた。知っていた地域であり、地元住民と良い関係を築いている協力隊員の姿を見て応募を決心した。「庄内の在来作物に興味がある。山野草や薬草などを加工し商品化に結び付けたい」と抱負を語る。
学生の頃から民俗学や山岳信仰の本を読みあさっていたので、出羽三山に抱かれた立谷沢地域での生活がとても楽しみという。「中山間地域の暮らしへの関心がすべての原動力。今まで本でしか知らなかった『ひな祭り』や『大黒様のお歳夜』などの年中行事を観光客目線ではなく、住人目線で垣間見ることができて感激した」と目を輝かす。
趣味は山歩き。今後は羽黒古道トレッキングにも挑戦したいという。人の話を聞くときは自分の尺度で判断すると内容を正確に受け取れない。相手の話の背景などを根掘り葉掘り聞くことで「人の話をきちんと聞く」ことを大事にしている。幼少期から絵を描くのが好きで、自己紹介を兼ねて先月末まで立谷沢公民館に絵画作品を展示、場内には一人で立ち上げた「立谷沢新聞」も掲示し、第0号の内容は地域住民へのあいさつとした。31歳。