2021年(令和3年) 11月14日(日)付紙面より
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日本語の話せない外国人からの119番通報に対応するため、鶴岡市消防本部(大川治消防長)は9日、同市美咲町の同本部で、民間の電話通訳サービスを活用した救急対応訓練を行った。
訓練は昨年度に続き2回目。通訳サービスは、通報者と通信指令員、通訳者の三者間で通話する仕組みで、17言語に対応するNTT東日本のサービス。
この日は、外国人が目まいや咳の症状で歩けず通報したという想定。アメリカオハイオ州出身の市国際交流員、アレクシス・クランプさん(27)が傷病者役として同本部の災害対策室から英語で119番通報した。
通報を受けた通信指令課第1係の林正光主任は、通訳センターに電話を転送。通訳者を介して▽名前▽住所▽症状―などを聞き取り、救急隊を出動させた。
現場へ到着した救急隊は、再度通訳センターに連絡を取り、アレクシスさんと交互に通訳者と会話。症状や搬送先の病院などを正確に伝え、担架で移動させるまでの一連を実践した。
アレクシスさんは「こんなサービスがあるなんて知らなかった。音声が聞き取りづらいなどの課題はあるが、思っていたよりもうまくできた」、通信指令課の五十嵐康夫課長は「庄内地域に住む外国人の方が安心して通報できるように、今後も定期的に訓練を行っていきたい」と話した。