2021年(令和3年) 11月30日(火)付紙面より
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遊佐町鮭シンポジウムが26日、同町の鳥海温泉・遊楽里で開かれた。県内と秋田、新潟両県の関係者ら約100人が参加。専門家の報告や講演を通し、サケ資源の現況や増殖への課題などを学んだ。
東北の日本海側でサケの遡上(そじょう)数が最も多い同町月光川水系のサケ人工ふ化事業者らが、ふ化技術向上や地域を超えた交流などを目的に、2012年に設立した「遊佐町めじか地域振興協議会」が初めて開催した。
同協議会の尾形修一郎会長はあいさつで、100年を超える歴史を有するサケの人工ふ化事業は、SDGs(持続可能な開発目標)の先駆的な取り組みとの認識を示した上で、高級魚となったサケの沿岸漁獲を増やすためにも「赤川のサケ資源増大策が必要。地球温暖化だけを不漁の原因とする前に、取り組むべき課題が残されており、隣県とのさらなる連携が不可欠」と呼び掛けた。
報告や講演では、「サケ資源は短期間で失われるが、再生・回復には15年から20年という長い期間が要る」「ふ化技術の向上や施設整備が重要で、そのためには外部評価も必要」などの指摘があり、参加者たちは熱心に耳を傾けていた。