2021年(令和3年) 1月23日(土)付紙面より
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LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパン(千葉県成田市)が、運航する庄内―成田線について、路線廃止を国土交通省に届け出たことが、21日分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う航空需要の減少を受け、昨年秋以降、運休していた。同社は2019年8月の運航開始から1年半で庄内空港から撤退することになる。
ジェットスター・ジャパンは21日、庄内―成田線のほか、中部空港の新千歳、鹿児島、関西空港の高知、福岡、熊本の各路線についても路線廃止運航計画変更届を国交省に提出した。新型コロナの影響で地方路線の需要減が長期化している。
庄内―成田線は19年8月1日、エアバスA320型機(180席)の一日1往復運航で就航。しかし、20年4月以降は新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言など県境を越えた移動の自粛の呼び掛けによる旅行の手控えなどもあり、需要が低迷。運休や減便を余儀なくされていた。
「残念」再開に期待
県は庄内―成田線の就航に伴い、庄内空港ビルの使用料支援、空港施設整備補助、利用拡大支援などで19年度に約7100万円、20年度には約4900万円の予算を措置した。路線廃止届を受け、県総合交通政策課は「コロナ禍で需要回復の見通しが立たず、経営環境が厳しいと聞いている。状況が変われば数年後に運航再開の可能性もある」、庄内空港利用振興協議会長の皆川治鶴岡市長は「大変残念。引き続き厳しい状況が変わった時の再開に向け努力する」、丸山至酒田市長は「地域の総力を挙げ実現させただけに残念。環境が整った際は再開につなげられるようにしていきたい」とそれぞれコメントした。
2021年(令和3年) 1月23日(土)付紙面より
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「最上川さみだれ大堰1号ゲート」のゴム堰袋体更新工事が、庄内町清川の現地で行われている。
最上川に架かる「さみだれ大堰」は、河床の安定を図ることで洪水を防ぐとともに、安定的な農業用水の取水確保を目的に設置された起伏堰。全長209・5メートル、高さ2・7メートル。ゴム堰としては日本最大規模で国土交通省酒田河川国道事務所が管理している。堰部分は中に空気を送り込むことによって膨らみ、起き上がって堰になるという構造。
1995年11月の竣工(しゅんこう)から25年が経過し、老朽化に伴い損傷箇所の補修を繰り返している。今回更新しているのは5門のゲートのうち左岸側の1号ゲート(長さ約42メートル)。ゴム袋体の中は9層構造となっており、総重量約7トン。工事は19日からスタートし、120トンクレーンを使って据え付ける作業を行っている。3月末の完成予定で、今春以降の庄内平野の治水と農業用水を守っていく。