2022年(令和4年) 11月3日(木)付紙面より
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すべて庄内産の野菜で作ったブルガリアの伝統ペースト「リュテニッツァ」と遊佐町特産のパプリカを紹介した記事が、ブルガリアの全国紙「ナショナルブルガリアン」に掲載された。長年、パプリカを栽培している高橋洸太さん(40)=遊佐町漆曽根=は「これを機会にブルガリアと遊佐町の交流が少しでも芽生えれば。紹介されてとてもうれしい」と話している。
庄内バージョンの「リュテニッツァ」は、庄内産野菜にこだわり加工品開発を進めている三浦眞紀子さん(62)=鶴岡市大山一丁目、野菜みらい計画代表=が試行錯誤を重ねて作った。高橋さんが育てたパプリカを主原料に仕上げ、保存料などの添加物はいっさい使っていない。「とてもまろやかな味わい」「パンや肉料理、パスタとの相性がいい」と好評を得た。
三浦さんが試作段階の「リュテニッツァ」を作った時、村山市に2年間、スポーツ交流員として就任したアントアネタ・ヴィターレさん(元ブルガリア新体操選手)に評価してもらったことがそもそものきっかけとなった。
今年夏、東京都内で三浦さんがリュテニッツァを販売した時、ブルガリア大使館員が訪れ、三浦さんの商品と販売の様子をSNSで発信した。大使館経由でブルガリアの新聞社に情報が届き、記者がアントアネタさん(現在はブルガリア・プロブディフ市在住)を取材。いきさつを確かめるなどして三浦さんのリュテニッツァと遊佐町特産のパプリカに関する記事を一面カラーで紹介した。
記事には「日本の女性・ミウラマキコさんがアントアネタさんの試食評価を受けて遊佐町特産のパプリカを使った体に優しいリュテニッツァを完成させた。欧州に数あるペーストの中でブルガリアの伝統食が日本で商品化されたことはうれしい限り。本場と変わらないおいしさだ」と絶賛している。
遊佐町についても「日本国内で有数の生産量を誇るパプリカの主産地。遊佐町の姉妹都市であるハンガリー・ソルノク市からパプリカの種を分けてもらい、農家が栽培を始めた」と歴史的な背景を伝えている。掲載紙はブルガリア大使館を通じて三浦さんに届いた。
三浦さんは「パプリカ生産の高橋さんをはじめ、庄内には品質の高い野菜を一生懸命作っている農家がたくさんいる。これからも、そうした野菜を使った加工品を作って全国に発信したい」と笑顔を見せた。