2022年(令和4年) 11月26日(土)付紙面より
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赤字が続く地方鉄道の今後の在り方が課題となる中、JR東日本は24日、地方路線のうち特に利用者が少ない35路線66区間の収支について、新たに2021年度の収支状況を公表した。収入から費用を差し引いた収支は、いずれの区間も赤字だった。庄内地域関連では羽越本線の村上―鶴岡間と酒田―羽後本荘間、陸羽西線の新庄―余目間の3区間が赤字で、村上―鶴岡間は公表区間のうち赤字幅が最大の49億9800万円だった。
JR東日本が公表した66区間は、コロナ禍の影響が比較的小さかった19年度、1キロ当たりの1日の平均利用者数を表す「輸送密度」が2000人未満の路線。
羽越本線の村上―鶴岡の21年度赤字額はコロナ禍前の19年度の49億900万円から8900万円増加した。酒田―羽後本荘間は27億7800万円で19年度と比べ赤字幅が6700万円増加し、全体では奥羽本線東能代―大館間(秋田県)の赤字額31億500万円に次いで3番目に多かった。村上―鶴岡、酒田―羽後本荘間とも県境をまたぐ区間で、赤字区間の中では営業キロが比較的長く、その分営業費用がかさむといったことも影響している。陸羽西線新庄―余目間の赤字額は21年度の赤字額は8億9100万円で19年度比の赤字幅が1億9800万円増加した。
100円の運輸収入を稼ぐのにどれだけの費用がかかったかを表す21年度の「営業係数」は、村上―鶴岡間1772円、酒田―羽後本荘間1997円、新庄―余目間2483円。
県内関連の他の公表路線と21年度の赤字額、営業係数は▽左沢線寒河江―左沢間2億5900万円、1537円▽奥羽本線新庄―湯沢間14億5300万円、3241円▽米坂線米沢―今泉間5億3900万円、1646円▽同線の今泉―小国間8億5800万円、4070円▽同線小国―坂町間5億3600万円、4499円▽陸羽東線鳴子温泉―最上間5億200万円、2万31円▽同線最上―新庄間6億5400万円、3078円。
JR東日本は今年7月、利用者が少ない地方路線の19、20年度収支を初めて公表。国土交通省の有識者会議は同月、輸送密度が1000人未満の路線について、国と自治体、鉄道事業者が存廃を協議する仕組みを設けるよう提言した。
一方、JR東日本の路線別利用状況によると、羽越本線鶴岡―酒田間の輸送密度は、コロナ禍前の19年度が2109人で、20年度は1245人、21年度は1344人だった。
2022年(令和4年) 11月26日(土)付紙面より
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東北電力は24日、家庭向け電気料金の規制料金について、平均32・94%の値上げを国に申請した。基本料金、電力量料金を改定する値上げ申請は9年ぶり。来年4月1日の実施を予定する。
電力大手6社が値上げの準備を進めており、申請は東北電力が初めて。ロシアのウクライナ侵攻などによる原油など燃料費高騰の影響という。
東北電力によると、平均的な家庭(契約種別・従量電灯B、契約電力30アンペア、使用電力量26キロワット時)の場合、2717円上がり月額1万1282円となる。対象となる県内の契約数は約51万8100件。国の認可が不要な家庭向け自由料金も同時に平均7・69%値上げする。