2022年(令和4年) 2月5日(土)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)の広瀬雄二教授(情報処理)の指導を受ける1―3年生は本年度、市の「地域IT人材等育成委託事業」の一環として班単位で選んだテーマを基に、インターネット上の無料地図にデータを加えて作成する「オープンストリートマップ」の構築に取り組んできた。成果を披露する発表会が2日、オンラインで行われ、学生たちがこれまでの学びを生かして構築したコンテンツなどを披露した。
広瀬教授の指導で歴代学生たちはこれまで、目的の情報を選択すると酒田の地図が表示され、そこに示されたアイコンをクリックすると名称や住所、電話番号などの情報が一目で分かる市地理情報システム(通称・さかたまっぷ)に、「デートスポットマップ」「さくらまっぷ」といった独自コンテンツを追加している。
この日はコロナ禍のためオンライン開催となり、広瀬教授が担当する「情報処理特講」を受講した2、3年生による3班が▽最上川河口における探鳥マップの作成と活用法▽松ケ岡開墾場スタンプラリーの作成▽庄内観光スポット紹介プラットフォームの構築―の3テーマで、「基礎演習b」履修の1年生も3班体制となり、「オープンストリートマップ」の活用などに関して発表した。
環境省鳥海南麓自然保護官事務所(同市)の長船裕紀さんと共に学生10人が取り組んだ「探鳥マップ」は、渡り鳥の越冬地として重要な区域で、同省レッドリスト掲載種など希少な野鳥も確認される国指定最上川河口鳥獣保護区域(同市)の認知度向上が目的。ウェブ地図を構築し、一帯で観察できる野鳥の特徴、生態などを表示する「野鳥図鑑」、野鳥観察を疑似体験できる「VR(仮想現実)」を加えた。発表した学生は「地図と図鑑、VRで野鳥に関するデータベースを目指している。今後、子どもたちでも安全に観察ができるよう危険エリアなどを地図上に設定するとともに、よりリアルな観察環境の再現を図りたい」と述べた。
「さかたまっぷ」はパソコンやスマートフォンなどで利用可能。ポータルサイトから「さかたまっぷ」で検索できる。