2022年(令和4年) 2月22日(火)付紙面より
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酒田市の本間美術館(田中章夫館長)で18日、雪の重みで倒れたアカマツが施設内の本間家別荘「清遠閣」の屋根を直撃。雨漏りが生じたため臨時休館。19日から始まった「子どもたちの成長を祝う本間美術館のひな祭り」展を新館の展覧会場のみで開催している。
清遠閣は、国指定名勝にもなっている本間氏別邸庭園「鶴舞園」が一望できる京風木造建築で、1813(文化10)年に庄内藩主・酒井公が領内巡視をする際の休憩所として造られ、1925(大正14)年には東宮殿下(昭和天皇)が宿泊するなど、酒田の迎賓館としても使用された。
被害は18日朝に出勤した職員が発見。17日夜からの雪の重みで建物南側の入り口側にあるアカマツの幹の上から半分と、北側のタブノキが倒れ、覆いかぶさるように平屋になっている上座敷の屋根に当たり、衝撃で穴が空いた。日中の暖かさで雪が解け、そこから雨漏りが発生したため、座敷に展示してあった旧風間家のおひなさまを奥の座敷に移動させ、ブルーシートを敷いたり、バケツなどを置いて応急処置。おひなさまに被害はなかったという。
その後、屋根をふさぐなどして雨漏りは収まったが、鶴舞園も雪や庭木の枝折れなどの被害を受けており、再開のめどが立っていない。職員も「ひな展示の頃に、庭園にこれだけ雪が積もっているのは記憶にない。一日も早く復旧して、おひなさまの姿を見ていただきたい」と話していた。
同館では、「ひな祭り」展を新館の美術展示会場のみ(入館料600円)で開催している。