2022年(令和4年) 5月17日(火)付紙面より
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酒田市中心部を華やかに彩る酒田まつり(本祭・20日)の神宿(とや)開きが15日、上、下両神宿で行われ、住民が所蔵する珍しい美術品や工芸品の数々が訪れた人の目を楽しませている。
酒田まつりは、上日枝神社(浜田一丁目)、下日枝神社(日吉町一丁目)の例大祭で、江戸時代前期の1609年から一度も欠かさず続けられている。規模こそ縮小するものの、山車行列パレード、式台の儀、江戸期以降の酒田の通史を紹介する「時代行列」といった一連のイベント、露店出店など3年ぶりに通常の態勢で実施。酒井家庄内入部400年記念事業として第18代当主・酒井忠久さんが来賓として式台の儀に出席する予定になっている。
今年は、上は2自治会による第二区神宿組合(渡部英男委員長)が鷹町稲荷神社(相生町一丁目)、下は7自治会による第五神宿組合(小野寺輝雄委員長)が祖父山会館(中央東町)にそれぞれ神宿を設置した。
上神宿は、本間家第3代・光丘翁が祇園祭にならって京の人形師に発注した「本間家の亀笠鉾」(市指定有形民俗文化財)のミニチュア「酒田山王祭り本間家山車・亀笠鉾行列」、「抱き角」の印が入った桃山時代の甲冑(かっちゅう)、地域住民手作りの能面などが並ぶ。
下神宿は高級洋酒の空き瓶、ブリキのおもちゃ、明治時代初期のカメラ、山村のジオラマ、ツートラテープレコーダーなどがある他、「神様から今の酒田を見てもらいたい」という思いから小型無人機「ドローン」で空撮した酒田の風景を上映している。両神宿とも16日に鉾立て神事が行われ、設置は21日(土)まで。
一方、酒田まつりの開会を宣言するとともに、期間中の無事故、好天を祈る安全祈願祭が15日午後、中町モールで行われ、関係者約20人が出席。久木原満実行委員長、丸山至市長らが神前に玉串をささげた。