2022年(令和4年) 7月3日(日)付紙面より
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新型コロナウイルスワクチンの接種率向上に向け県は1日、バスで公共施設などを巡回し車内で接種を行う事業を開始した。8月28日(日)までの間、県内17市町の計24カ所で実施、特に接種率が50%前後と伸び悩む若年層から広く接種してもらう。初回の会場は酒田市の東北公益文科大学駐車場。予約した74人の学生、周辺住民らが医師の問診を受けた後、看護師から接種を受けた。
県コロナ収束総合企画課によると、県内におけるワクチンの3回目接種率は先月28日時点で70・3%と全国でも秋田県に続き2番目に高い一方、12―19歳が47・5%、20代は56・8%、30代は58・7%と若い世代の接種率が伸び悩む。県は今回、若い世代の接種率向上に向け、バスを使った「新型コロナウイルスワクチン巡回接種事業」を企画。金―日曜の週末、祝日の計24日間、17市町の期日前投票所やスーパー、ショッピングモール、大学などで実施する。使用ワクチンはモデルナ社製。
医療スタッフのうち医師と看護師は県立病院、薬剤師は県薬剤師会からそれぞれ派遣。初日は医療・受付スタッフら計16人が訪れ、公益大公益ホール駐車場にバスを止めて午後3時にスタート。予約していた学生、周辺住民がバスに乗り込み接種を受け、終了後は車内後部で15分程度、経過を見た。公益大4年の男子学生(21)は「これまでの2回は(集団接種会場の)市平田農村環境改善センターで受けた。バスの振動が若干気になったが、何よりもスムーズだった。大変良い企画」と話した。
同課の今田禎幸課長補佐は「ワクチンバスの巡回は首都圏などでやっている箇所があるが、全国的にもまれ。少しずつでも浸透していけば」と話し、期間中3000人の接種を見込んでいる。
2日は鶴岡市役所駐車場で実施。巡回接種は電話で予約できる他、同課によると、空きがある場合は予約なしでも接種を受けられるという。
予約は県新型コロナワクチン巡回接種事業コールセンター=電0120(358)183=へ。
今後の庄内地域への巡回は次の通り。
◇7月▽22日(金)午後3―8時、鶴岡・朝日中央コミュニティセンター「すまいる」▽23日(土)午前10―午後6時、庄内・余目第四まちづくりセンター
◇8月▽7日(日)午前10―午後6時、鶴岡・マックスバリュあつみ店▽11日(木・祝)午前10―午後6時、三川・イオンモール三川▽21日(日)午前10―午後6時、酒田・イオン酒田南店
2022年(令和4年) 7月3日(日)付紙面より
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庄農高秋のデビュー目指す 加茂水高とコラボ
穀物の自給率について学んでいる鶴岡市の庄内農業高校の生徒が育てた小麦の初収穫が1日、同市羽黒町玉川にある学校農場で行われた。収穫した小麦は粉末にして同市の加茂水産高校の生徒と共同開発している「庄農ラーメン」の麺に使う。
小麦栽培は昨年9月、玉川地区の高台に広がる広さ11アールの畑に「ゆきちから」の種をまき、一冬を越して順調に成長。背丈は高さ約50センチになり、収穫期を迎えた。
この日は食料生産科の3年生4人と教諭が参加。生徒一人ずつ交代してコンバインに乗り、同乗した教諭の指導のもとで黄金色に実った小麦を刈り取った。
栽培を教えてきた齋藤浩紀教諭は「収量にして100キロに届くかどうかというところだが、初めてにしてはますまずの出来栄え。小麦栽培は水はけのいい土壌が必要。水はけが悪いと育たない。生徒にとっては肌で感じ取るいい体験になったと思う」と話した。
コンバインの運転方法も学んだ菅原萌さん(17)は「小麦の自給率を国内で高めることは大切なことだと思う。穂を付けた小麦を見て楽しくなった」と笑顔で話した。
収穫後、学校に戻って「庄農ラーメン」の試食会があり、加茂水産高校海洋資源科の生徒が鼠ケ関産の「ベニエビ」を材料に仕上げたスープに、庄農産小麦の麺を入れて試食した。
加茂水産高校の庄司新翔(にいと)さん(3年)は「庄内農業の生徒たちとのコラボレーションでラーメン開発に取り組み、楽しかった。スープはエビの風味を引き出すため今年の春から何度も試行錯誤を繰り返してきた。『庄農うどん』のようにラーメンも名物になってくれたらうれしい」と語った。
「庄農ラーメン」はこの後、微調整を重ね今年11月のデビューを目指す。