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荘内日報ニュース


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2022年(令和4年) 2月20日(日)付紙面より

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サケが捕れない!!  庄内沿岸や河川 前年の3分の1 海の環境変化影響か 不漁原因つかめず(21年調査)

 北海道や太平洋側の岩手、宮城を中心にサケの漁獲が減少している中で、庄内沿岸でも昨年、シロザケの沿岸来遊尾数が前年を大きく下回った。県水産振興課がまとめた2021年の沿岸来遊尾数(昨年12月31日まで)は9万4201尾で、10万尾を割り込んだ。減少した原因は分かっていない。漁業関係者は「今年の秋、サケは回復するのだろうか」と気にかけている。

 来遊尾数(9万4201尾)の内訳は、庄内沿岸漁獲数が2万5021尾(前年7万9779尾)で前年の31%、河川捕獲数が6万9180尾(同14万1080尾)で49%にそれぞれとどまった。

 年別の沿岸来遊尾数は2017年が14万4284尾、18年が14万5783尾、19年が13万1634尾、20年が22万0229尾。20年に増加を示したが、21年は前年より12万6658尾大きく減った。

 全国的に不漁続きとなっているサケについて国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所(札幌市)などで研究を進めているが、原因を特定するまでには至っていない。稚魚の北上を妨げる「暖水渦」が北海道と東北の太平洋側に長く発生したり、稚魚に必要な「沿岸適水温」の期間が年々短くなっていることがサケに影響を与えている、との見方もある。

 庄内沿岸では例年、10月中旬から12月上旬にかけてサケの定置網漁が本格化する。鶴岡市三瀬の漁師・伊関豊さん(79)は「昨年は一番いい時期にしけが続き、漁ができないことも影響したが、これほど悪かった年はない。いつもと比べて全体の水揚げは3分の1程度。サケ漁をメーンにしているだけに、今後回復の兆しをみせるのかどうか心配」と話す。昨シーズン、北海道沿岸ではサケの代わりにブリが豊漁になる「珍事」が起きた。

 鶴岡市加茂の県水産研究所では「水質や温度、海流など海の環境変化がサケに影響を与えているとみられているが、原因は明らかにされていない。今後も『沿岸適水温』やウロコ模様から回帰したサケの年齢構成を判別する資源調査を重ねていきたい」と話している。今月中旬から来月上旬にかけて最上丸で海洋観測のほか、サケの稚魚調査を行う。

【暖水渦】北海道と東北の太平洋沖で頻繁に発生し親潮の沿岸寄りの流れを妨げている。発生しても以前は数カ月で消えていたが、最近は1年以上張り付くことが増えてきたという。親潮の南下を妨げて海水温を上昇させ、魚種の分布に影響を与えている。

【沿岸適水温】サケの稚魚の成長と生存に適した沿岸の水温。川に放流した稚魚はしばらく沿岸で過ごし、北上するまでの力をつける。近年は沿岸適水温の期間が短い傾向にあると指摘されている。

庄内沿岸と河川ともにサケの漁獲が大きく落ち込んだ=昨年11月、遊佐町直世の採捕場
庄内沿岸と河川ともにサケの漁獲が大きく落ち込んだ=昨年11月、遊佐町直世の採捕場

年別の庄内沿岸サケ漁獲量(定置網漁)=県水産研究所提供
年別の庄内沿岸サケ漁獲量(定置網漁)=県水産研究所提供


2022年(令和4年) 2月20日(日)付紙面より

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クラスター多く感染防止強化 県独自「リバウンド対策期間」要請内容決める

 県は18日、県新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部(本部長・吉村美栄子知事)の第49回本部員会議を開き、20日に終了するまん延防止等重点措置の後、県独自の取り組みとして設置する「再拡大(リバウンド)防止特別対策期間」の要請内容などを決めた。本県における第6波では保育施設や高齢者施設などで多数のクラスター(感染者集団)が確認されたことから、各施設での感染防止対策を補強する。また、これ以上の感染拡大を封じ込めるため、防止対策の実施は県内全域を対象とする。

 県によると、1月5日に本県が第6波に突入して以降、2月17日現在までクラスターは57件発生。このうち保育所や幼稚園など保育施設が17件、小学校11件、高齢者施設が10件で3施設を合わせると38件となり全体の66・6%を占めている。これに中学校(1件)と高校(6件)を加えると78・9%で全体の8割近くまでになる。

 また、クラスターの感染者数も保育施設が338人で全体の4割近く。小学校が142人、高齢者施設が159人で、3施設を合わせると全体の約75%を占める。中学校(6人)と高校(107人)を加えると全体の88・0%まで跳ね上がる。

 こうした状況を踏まえ、再拡大防止特別対策の基本的な考え方として保育施設や学校、高齢者施設などの感染防止対策を補強することとした。さらに感染力の強いオミクロン株の特徴を踏まえた感染防止対策の追加、感染対策と経済回復の両立を図るため経済活動の制限に係る要請内容の見直しなどを盛り込んだ。

 具体的な要請内容は、県民に対し▽感染リスクが高い場所への外出、移動を控える▽県外との不要不急の往来自粛(ビジネス、通学、通院、受験などを除く)▽会食は1テーブル4人以下で感染防止対策を徹底。昼食や休憩中の飲食などを含め会食は「黙食」を基本とする▽不織布マスクの正しい着用や小まめな手洗い、換気の励行など基本的な感染防止対策を徹底―など。

 クラスターが多発した学校に対しては▽原則的に部活動は自粛。ただし地域の感染状況によっては「土日祝日の活動停止」「自校内の活動のみ」「マスクを着用してできる活動に限定」といった制約のもと活動を可能とする▽ワクチン未接種者が多い小学校はスポーツ少年団の活動を停止▽合唱やリコーダー演奏、近距離で組み合う運動など感染リスクの高い学習活動の停止―など。県立学校だけでなく、小中学校や私立学校についても同様の対応を要請する。

 保育所や保護者に対しては▽感染リスクが高い活動を避け、園児をできるだけ少人数グループに分ける▽保護者が参加する行事の延期も含め、大人数での行事の自粛▽登園前の子どもの健康観察を徹底し、発熱などの症状がある場合は登園を避ける―など。

 高齢者福祉施設や障害者施設には▽複合型施設では入所者と通所サービス利用者を可能な限り分離。職員も入所担当と訪問・通所担当で休憩室利用時間を分離するなど感染リスクを減らす―など。

 会議ではこのほか、鶴岡市立荘内病院や地域の薬局、ドラッグストアなどで、無料で実施しているPCR検査、抗原検査について、無料期間を3月31日まで延長することを決定した。3回目のワクチン接種については、県主体での事業として県内4地域合わせて約6500人を対象とする大規模接種の日程を決定。庄内地域は3月12、13の両日に実施する。使用するワクチンはモデルナ製を予定している。接種時間などの詳細は後日発表する。

県内第6波で発生したクラスター57件(17日現在)のうち、約8割が保育施設と学校、高齢者施設で確認された=県提供
県内第6波で発生したクラスター57件(17日現在)のうち、約8割が保育施設と学校、高齢者施設で確認された=県提供



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