2022年(令和4年) 2月22日(火)付紙面より
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新型コロナウイルス感染症の対応に最前線で尽力し続けている医療従事者に感謝の意を伝えようと酒田市は18日、市内の医療機関計81カ所に対し、一足早く春の到来を告げる地元産の啓翁桜を贈る活動をスタートさせた。同市の日本海総合病院で同日、贈呈式が行われた他、21日には酒田地区医師会十全堂(佐藤顕会長)の会員74医院などに発送した。
同市では今年1月上旬以降、新型コロナ感染が拡大しており、収束が見通せない状況となっている。この対応に最前線で従事している医療従事者に感謝の意を伝えようと、JA庄内みどり(同市、田村久義代表理事組合長)の協力で、国内はもとよりベトナム、香港に輸出し好評を得ている啓翁桜の贈呈を企画した。
日本海総合病院での贈呈式では、市の白畑真由美健康福祉部長と小田雅之健康課長が訪問。白畑部長が島貫隆夫院長と中村美穂副院長兼看護部長に啓翁桜を手渡し、「市民の安全な暮らしと命を守るため最前線で尽力していただいていることに感謝。桜が咲く頃には新型コロナが落ち着き、本当の春が来てほしい」とあいさつした。
これを受けて島貫院長は冒頭、院内の一部でクラスター(感染者集団)が発生したことに触れ、「感染症指定医療機関として対応してきた中、院内クラスターが発生してしまい申し訳ない」と。そして「クラスター収束のめどはついている。対応に鋭意努力している中、啓翁桜を頂いて大変ありがたい。エントランスに飾って職員だけでなく、患者からも楽しんでもらう」と続けた。
市では啓翁桜の他、丸山至市長のメッセージ、矢口明子副市長はじめ職員有志約100人が記したメッセージカードを貼り付けたボードも同時に贈った。市は同日、本間病院、県庄内保健所、平田農村環境改善センターに設けた集団接種会場にも啓翁桜を届けた。
2022年(令和4年) 2月22日(火)付紙面より
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酒田市の本間美術館(田中章夫館長)で18日、雪の重みで倒れたアカマツが施設内の本間家別荘「清遠閣」の屋根を直撃。雨漏りが生じたため臨時休館。19日から始まった「子どもたちの成長を祝う本間美術館のひな祭り」展を新館の展覧会場のみで開催している。
清遠閣は、国指定名勝にもなっている本間氏別邸庭園「鶴舞園」が一望できる京風木造建築で、1813(文化10)年に庄内藩主・酒井公が領内巡視をする際の休憩所として造られ、1925(大正14)年には東宮殿下(昭和天皇)が宿泊するなど、酒田の迎賓館としても使用された。
被害は18日朝に出勤した職員が発見。17日夜からの雪の重みで建物南側の入り口側にあるアカマツの幹の上から半分と、北側のタブノキが倒れ、覆いかぶさるように平屋になっている上座敷の屋根に当たり、衝撃で穴が空いた。日中の暖かさで雪が解け、そこから雨漏りが発生したため、座敷に展示してあった旧風間家のおひなさまを奥の座敷に移動させ、ブルーシートを敷いたり、バケツなどを置いて応急処置。おひなさまに被害はなかったという。
その後、屋根をふさぐなどして雨漏りは収まったが、鶴舞園も雪や庭木の枝折れなどの被害を受けており、再開のめどが立っていない。職員も「ひな展示の頃に、庭園にこれだけ雪が積もっているのは記憶にない。一日も早く復旧して、おひなさまの姿を見ていただきたい」と話していた。
同館では、「ひな祭り」展を新館の美術展示会場のみ(入館料600円)で開催している。