2022年(令和4年) 3月3日(木)付紙面より
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鶴岡市の県立鶴岡南高校山添校(坂尾聡校長)で2日、最後の卒業式が行われた。3年生の男女18人が学びやを巣立ち、73年の歴史に幕を閉じた。
同校は1948(昭和23)年に県立山添高校として創立。当時は定時制の普通科、農業科、家庭科の3学科で修業年限は5カ年。「働きながら学ぶ高校」としてスタートした。その後、定時制から全日制となり、学科は普通科1学科に。78年には15学級、1?3年生合わせて672人を数えたが、少子化に伴い生徒数は年々減少。2014年に現校名となり、18年4月に閉校が決まった。
この日は男子13人、女子5人の「最後の卒業生」と父母、同窓会、PTA関係者、教職員合わせて約70人が出席。坂尾校長が一人一人に卒業証書を手渡した後「この3年間は困難を乗り越え成長した大切な時間だったと思う。お互いさまの精神と生涯にわたって学ぶ心を忘れないでほしい。挑戦する心に、道は必ず開く」と式辞を述べた。
生徒を代表して生徒会長の菅原伶音さんが「素晴らしいクラスメートに恵まれ全員で力を合わせて取り組むことができた。私たちを最後に閉校となるのは寂しいが、地域に愛され伝統のある学校で学んだことを忘れず、力強く生きていきたい」とあいさつし、校舎に別れを告げた。
佐々木彩香さんは「畑作の栽培と収穫体験が思い出として残る。卒業してもクラスメートの18人とは関わっていきたい」と話した。
卒業生18人の多くは地元就職で、すでに内定が決まっている。進学は短大と専門学校に合格。この後、大学進学を目指す生徒もいる。閉校後の具体的な校舎の活用方法は決まっていない。
2022年(令和4年) 3月3日(木)付紙面より
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4月1日付で荘内銀行(本店・鶴岡市)の新頭取に就任する松田正彦取締役常務執行役員(54)と、同行の取締役会長に退きフィデアホールディングス(HD、仙台市)社長専任となる田尾祐一頭取(63)は1日、山形市の荘銀山形ビルで記者会見を開いた。頭取交代の理由について田尾氏は「法人と個人双方に強みを発揮できるよう営業改革を進め、職場の環境づくりなどが軌道に乗り始めた今、あらためて次の戦略を考える必要がある。幅広い知見と豊富な経験を持つ松田新頭取には、これまで以上に地域へ密着し、顧客の役に立つ地銀であるよう力強くけん引してもらいたい」と述べた。
会見で田尾氏は「地方銀行を取り巻く経営環境が厳しさを増す中で地銀の新しいビジネスモデル実現に取り組んだ結果、顧客との関係や業績などが良い方向に動き始めている。相談・提案型の営業、コンサルティング中心の営業改革を進め、経費効率化にも努めた。また行員の能力を最大限に発揮できる職場環境づくりや人材育成にも取り組んだ。成果として2021年度の業績予想を上方修正し、荘内銀行、フィデアグループとも増収増益の見込みとなった」と説明。
その上で「例えて言うならエンジンが掛かって改革の気風が行き渡り、全員がモチベーションを一層高め走り始めたところ。松田新頭取は営業、経営企画、財務に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)分野など幅広い知見と経験があり、地方創生に対する情熱があふれる気概ある人物。より地域に密着し、地方創生への貢献と改革を進めてもらいたい」と述べた。
松田氏は「営業の最前線や本部業務でも常に『古里・山形のために』を信念に、金融分野から地域発展に貢献したいという思いで仕事をしてきた。頭取の責任の大きさに身の引き締まる思い」と語るとともに、「新頭取として改革の勢いを緩めることなく、継続とさらなる強化が大事な役割と考えている。地方創生への貢献と法人・個人一体の営業体制、行員が元気に働ける環境づくりに力を尽くしたい」と抱負を述べた。
頭取に就任する松田氏は鶴岡市出身。鶴岡南高、慶應義塾大法学部を卒業後、1990年4月に荘内銀行入行。54歳での頭取就任は東北の地銀で最も若い。
田尾氏は、みずほ銀行常務執行役員などを経て、2016年6月にフィデアHD取締役兼代表執行役社長。20年4月から荘内銀行頭取を兼務している。