2022年(令和4年) 6月29日(水)付紙面より
ツイート
4路線12便を6路線48便へ
高齢者の移動手段向上バス停4割増設
庄交コーポレーション(鶴岡市、國井英夫社長)と子会社の庄内交通(同市、村紀明社長)は27日、同市の市街地で運行している循環バスの路線を10月1日に改編し、現在の4路線12便から6路線48便へ大幅に拡充すると発表した。高齢者の移動手段の利便性向上を目的としており、バス停も4割近く増設し、1時間おきに12人乗りのマイクロバスを運行する。
12人乗りマイクロ運行も
現行の市街地循環バスは、南東部と南西部の2コースで、それぞれ右回りと左回りを1日3便ずつ運行。高齢者の利用が大半を占め、主に市立荘内病院や鶴岡協立病院など医療機関への移動手段として活用されている。一方で、長さ7メートルある現行のバス車両では、車両規制の関係で運行ルートが限られ、利用しにくい面もあり、1便当たりの平均利用者は7人といった現状にあるという。
少子高齢化が進む中、高齢者の免許返納後の受け皿として、路線バスへの期待が以前より一層高まっているとし、マイクロバスで住宅地と各医療機関、商業施設、JR鶴岡駅、公共施設などを結ぶ大規模な再編を実施する。
再編では、東部の鳥居町や南部の小真木原町、稲生二丁目、青柳町などをルートに新たに加え、1コース50分以内の時間で3コースを運行。各コースに右回りと左回りを設定し8便ずつ走らせる。運賃は均一とする。バス停はおおむね300メートル間隔で配置し、現行の58から79に増設。エスモール、鶴岡駅、市役所には各コースとも乗り入れ、3コースを結ぶ拠点とする。また、庄内観光物産館を乗り継ぎ拠点とし、温海・湯野浜方面から市外への移動の利便性を高める。
庄交コーポレーションは、導入した交通系の地域連携ICカード「cherica(チェリカ)」と連動したサービス拡大などにも取り組む考えで、「グループの一大改革として循環バス路線を大幅に拡大し、高齢者の外出機会を増やして健康長寿社会の実現を目指す」としている。
2022年(令和4年) 6月29日(水)付紙面より
ツイート
全国森林レクリエーション協会(東京都、三浦雄一郎会長)が制定する本年度の「森林レクリエーション地域美しの森づくり活動コンクール」で、酒田市の環境保全ボランティア団体「万里の松原に親しむ会」(三浦武会長)が最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。昨年に結成20周年の節目を迎え、今後の活動に弾みがつく受賞で三浦会長は「これからも楽しく、生きがいの一つとして会を継続したい」と話している。
親しむ会は2001年7月、松陵、泉両学区の住民を中心に設立。市街地北西部にある万里の松原(約70ヘクタール)で植栽花木の手入れや下刈り、枝打ちなどの活動を継続している他、小・中・高校生に森づくりや環境保全に関する環境教育を実施。また、東日本大震災で海岸林が大打撃を受けた仙台市若林区荒浜地区に13年4月、会員約50人が出向いてクロマツの苗木500本を植林し、その後も現地に行き手入れを続けている。長年にわたる森林整備と環境教育などの功績が認められ、これまでに林野庁長官感謝状、県緑化等功労者感謝状、酒田市市民賞、公益財団法人ソロプチミスト日本財団社会ボランティア賞など受賞。現在の会員は約100人と、近隣にある学校など14団体。このコンクールは、森林レクリエーション地域で積極的な森林の整備や有効活用、安全性向上に向けた施設管理といった活動を展開している団体などを表彰するもので、本年度で34回目。6月2日に都内で行われた同協会通常総会の席上、金子原二郎農水大臣名の賞状を受けた。
受賞報告のため三浦会長、五十嵐幸子副会長、船越重幸事務局長が20日、市役所を訪問し、矢口明子副市長、久保賢太郎農林水産部長と懇談。矢口副市長は「長きにわたって素晴らしい活動をしてもらい、ありがたい。全国に認められた団体が酒田にあるということがうれしい」と。三浦会長は「国や県、市の指導、周辺企業の協力があったからこその受賞」と述べ、「新たなスタートの年に賞を受けたことに感銘を覚える。受賞を励みにこれまで以上の活動を心掛けたい」と話し、今後さらに地域連携・環境教育の推進に力を入れていくことを誓った。