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2023年(令和5年) 3月4日(土)付紙面より

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脱マスクで日常が戻ってくるか

 〈マスク取り驚いたのはしわの数〉―。先頃、新聞で見た川柳だ。新型コロナウイルス感染症予防対策で、この3年間マスクを着用する日々だったが、政府は今月13日以降、マスクの着用を個人の自主的な判断に委ねる。マスクを外す生活ができるとしても、自分が感染しない、他者にうつさないためには、周囲の環境に応じて着用する配慮をしなければならないのは、言うまでもないことだ。

 県も政府の方針に倣ってマスク着用は個人の判断に委ねるとし、卒業式は児童、生徒、教職員はマスクを外すことを基本とした。また4月1日からは、学校での着用を求めず、マスクのない日常が戻ってくる。

◇      ◇

 新型コロナ禍の発生は2020年1月。日本人は以前からインフルエンザの流行期などに、マスクを着用する習慣があった。もちろん「うつさず、もらわず」の予防意識から。しかしコロナ禍の中で、人々はマスクを求めて大混乱した。新型ウイルスへの怖さもあって、着用していない人を厳しく注意する“マスク警察”と称される人が現れたり、政府が急ぎ作って全国民に配った布マスクは、市販品が出回る頃に国民に届いたことと、効果と併せて無駄遣いの愚策と評された。

 厚生労働省は、マスク着用の有無について他者がマスクの着脱を強いることがないよう求めている。屋内では2メートル以内の距離で会話する時は着用し、会話しない場合は不要とする。重症化リスクの高い高齢者などへの感染防止のため、医療機関受診時、高齢者施設訪問、混雑した電車やバスの乗車時などは着用を推奨し、屋外では原則不要とするとの指針だ。

 県の新型コロナウイルス対策本部の会議でも政府の指針に添うとしたが、しかし、まだ不安を持つ人もいることから、吉村美栄子知事も「個人の意思に反してマスクの着脱を強いることや、マスク着用の有無による差別が生じないようにしてほしい」と呼び掛けた。

◇      ◇

 全国の感染者は大幅に減ってきている。ワクチン接種、手指消毒、マスク着用などによる感染予防を取ってきた効果である。一方、日本では免疫を持たない人も多いとされ、今後新たに流行する可能性も指摘されている。今後も注意を怠ることはできず、政府の判断による“脱マスク”を、「着用してはならない」と勘違いしてはいけない。

 マスク着用で、例えば20年4月に中学、高校に入学した生徒は3年間マスクで過ごし、オーバーな言い方をすれば級友の顔をよく知らないまま学校生活を送ったとも言える。マスク着用が当たり前の生活様式から、マスクなしが基本的な生活スタイルになる。しかし、感染が完全に断ち切られたわけではない以上、他者に対する配慮を忘れないことで、徐々にマスクなしの日常を取り戻せるのではないか。

画像(JPEG)



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