2023年(令和5年) 3月10日(金)付紙面より
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県が開発した初の県産サーモン「ニジサクラ」が23年度本格デビューするのを前に、県は8日、「ニジサクラブランド推進協議会」を設立した。取扱店と連携したメニュー開発やキャンペーンを行い、消費者への認知度向上を図る。
ニジサクラは、ニジマスと県魚のサクラマスを掛け合わせた大型マス。県内水面水産研究所(米沢市)が2013年―15年にかけて開発した。身の色合いと上品な味わいが特徴。全てメスだが卵を持たないため、産卵で消費する栄養がうまみとなって凝縮される。
22年度は魚病や水害の影響で出荷数は400匹にとどまり、本格デビューを見送った。現在、養殖業者は9社(うち庄内は2社)で23年度以降は5000匹(約6トン)を飲食店やホテルに出荷する。将来的には1万2000匹にまで増やす見込み。
この日、山形市内で設立総会と第1回総会が開かれ、県や県水産振興協会、養殖業者、観光関係者など約20人が出席。山形市内のホテルでニジサクラを使ったメニューを提供するデビューキャンペーン(3月下旬から5月末まで)やメニュー開発支援などの事業計画を決めた。総会後には試食も行われ、関係者からは「色味がきれいで身もやわらかい」と好評だった。
協議会長の森谷健県農林水産部次長は「生産者と連携して多くの人に味わってもらい、良い魚だと思ってもらえるように盛り上げていく」と話した。