2023年(令和5年) 3月31日(金)付紙面より
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「クリーンキャンペーン・イン・遊佐町」が26日、遊佐町の鳥海温泉遊楽里・鳥海文化ホールで開かれた。約200人の聴衆が、登山家の野口健さんの講演に熱心に聞き入った。
エフエム山形(本社・山形市、桑嶋誠一社長)がコスモエネルギーホールディングス(本社・東京都)とパートナーシップを組んで行う地球環境の保護と保全のために呼び掛ける活動「コスモ・アースコンシャス・アクト」の一環。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶりに開かれた。野口さんは「今できることを行動し、学ぶことで日々を変えていく」をテーマに、ヒマラヤや富士山の環境問題に焦点を当てトークを展開した。
野口さんは、登山者が出す山岳ごみについて「時代によって人間の感覚や価値観は変わるので、現代の感覚で過去の事績を批判してはいけない」と話し、「山岳ごみの現場を見て状況を知ると、心の中で何かを背負う」と続けた。なぜ富士山の環境活動にこだわるかについては「海外では、世界一ごみの多い山はマウント・フジだと言われている。年間200万人の登山者が訪れる富士山が変われば日本が変わると思い、集中して取り組んでいる」と説明し、「なぜごみを捨ててはいけないのか? それは、そうすることで人間精神がむしばまれてしまうから」と語った。講演終了後は記念撮影の後、会場を展示室に移動して遊佐町のシンボルツリーであるクロマツの種植えイベントを、野口さんと一緒に行った。