2023年(令和5年) 7月13日(木)付紙面より
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庄内藩酒井家シンポジウムが11日、東京・大手町の日経ホールで行われ、320人が来場した。昨年は酒井家庄内入部400年。“次なる一歩” の首都圏向けアフターイベントとなった。
徳川宗家19代当主の徳川家広氏(58)が「徳川家康と酒井忠次」と題して、基調講演を行い、その後関係者4人が「徳川家と酒井家」としてパネルディスカッションに臨んだ。家広氏は酒井家の始祖・忠次公を徳川四天王の中で「別格の存在」と説明した。家康より15歳年上で義理の叔父である血縁関係。その上で戦略など信頼できる相談役だったことを示した。ディスカッションでも加来耕三氏が後押しするように「家臣団のくくりとは違う。家康にとって、忠次は別格中の別格」と発言した。
これらを聞いた酒井家19代世嗣で今年6月、致道博物館館長に就任した酒井忠順氏(48)は「自分が褒められているような錯覚になる」としながら、酒井家の今後を担う身として気持ちを新たにさせた。今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」では忠次公を大森南朋さんが演じ、座興として踊る「海老すくい」が話題になっているが、同氏は自らステージの前に出て、演じ始めた。海老のように体を曲げたりするサービス精神抜群のパフォーマンス。「前泊したホテルで2時間ぐらい練習した」という成果に場内は歓声と拍手で応えていた。
また同氏は酒井家の墓所を保存、一般公開させるための一般社団法人を立ち上げているが今年10月28日、墓所である鶴岡市内の大督寺など関係各所と協力しながら一部を公開するプランを明かしていた。
一般質問のコーナーでは酒井家と酒田・本間家との協力関係はどんなものがあったか?の問いに戊辰戦争時に庄内藩は連戦連勝だったことが挙げられ「本間家は新政府軍に負けない最新兵器購入の資金を援助した関係がある」(加来氏)など問答が繰り返されていた。この催しは鶴岡市商工観光部観光物産課が事務局を務める、鶴岡市城下町観光誘客促進実行委員会が主催した。
▽パネリスト=徳川家広、酒井忠順、加来耕三(歴史家・作家)、谷口雅一(NHK歴史番組プロデューサー)▽コーディネーター=小林好雄(出羽庄内地域文化情報誌クレードル編集長)=敬称略=