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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 2月23日(木)付紙面より

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庄内地域出身俳優陣が庄内弁駆使 春秋山伏記 「狐の足あと」舞台

 鶴岡市出身の時代小説作家・藤沢周平さん(1927―97年)が古里・庄内地域への熱い思いを込めて描いた「春秋山伏記」を題材に、同地域出身のプロの俳優たちが庄内弁を駆使し舞台化する「春秋山伏記プロジェクト」の庄内公演「春秋山伏記―狐の足あと」が、5月27日(土)の酒田市の東北公益文科大公益ホールを皮切りに始まる。同市実行委員会の初会合が21日夜、同市のホテルリッチ&ガーデン酒田で行われ、一丸となって公演成功に導くことを誓い合った。

 「春秋山伏記」は、庄内地域の美しい四季の変化を背景に、村里に移り住んだ若い羽黒山伏・大鷲坊(たいしゅうぼう)と村人の交流を描いた作品で、▽験試し▽狐の足あと▽火の家▽安蔵の嫁▽人攫(さら)い―の5編で構成する。

 同プロジェクトは、庄内町出身の俳優・佐藤輝さん(77)=酒田北前観光大使=の呼び掛けに応じて集まった庄内地域出身のプロの俳優たちが、庄内弁を駆使して「春秋山伏記」を舞台化、作品を語り継ぐとともに広く発信するもの。2021年に「験試し」、昨年には「狐の足あと」をそれぞれ都内で上演し、好評を博した。

 庄内公演は5月27日の酒田を皮切りに、翌28日(日)に鶴岡市中央公民館、同30日(火)には庄内町の響ホールで計5回上演する予定。3月1日(水)にチケットの販売が始まる。「凱旋公演」の成功に向け酒田市では出演者の同級生・家族を中心に実行委員会(斎藤豊実行委員長)を組織した。

 この日は出演者、関係者約50人が出席。俳優・声優として活躍する出演者の斎藤志郎さん(同市出身)の兄・斎藤実行委員長のあいさつに引き続き、舞台の構成・演出も担当する佐藤さんが「庄内出身者で庄内の世界を描きたい。素敵な舞台を作り上げるので期待してください」と述べた。

酒田市実行委員会の初会合であいさつする佐藤さん
酒田市実行委員会の初会合であいさつする佐藤さん


2023年(令和5年) 2月23日(木)付紙面より

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河川水位観測や鳥獣被害対策 デジタル人材育成支援事業 鶴岡高専5年生取り組み報告

 鶴岡市が進める「デジタル人材育成支援事業」の報告会が21日、鶴岡市役所別棟2号館で開かれた。支援を受けた鶴岡工業高等専門学校の5年生が、中小河川の水位を観測するシステムや、鳥獣による農作物被害の対策についてそれぞれの取り組みを報告した。

 同事業は、デジタルを活用した地域課題を解決する仕組み開発を教材とし、学生の技術力向上を図るため本年度新たに始まった。学生の地元定着やその技術に基づいて事業を創出する企業を地域が支援するもの。

 鶴岡高専は今回、機械コースの矢吹益久准教授と情報コースのザビル・サラウッディン・ムハマド・サリム教授の2研究室から5年生グループが市の補助金による助成を受け、それぞれテーマを決めて研究調査に取り組んできた。

 報告会には皆川治市長など市関係者と鶴岡高専の学生など合わせて約20人が出席。矢吹研究室の学生5人が「中小河川用水位モニタリングシステムの開発」、ザビル研究室の学生3人が「IoTと機械学習を用いた畑への動物の侵入を検知する技術の開発」と題し、それぞれ報告した。

 矢吹研究室の5人は2020年7月に発生した県内の豪雨災害で、鶴岡市内でも70超の住家、非住家が浸水被害にあったことを挙げ、「地域住民のため河川の水位状況をリアルタイムで把握することが求められる」と提言。

 国土交通省が設置している水位計は1台約100万円とコストがかかることを踏まえ、低コストの水位モニタリングシステムを開発し、鶴岡市内の青龍寺川に設置して測定結果を基に、豪雨災害の際に活用できる河川氾濫予測モデルの作成に挑戦した。

 結果として「システムは1台約7万2000円で開発し、川沿いの3地点へ設置した。昨年11月以降の測定で、降水量と水位の変化は性質的に一致することや、上流と下流で水位のピークに時差があった。予測モデルの作成により氾濫の可能性が高い下流への避難勧告に役立つのでは」と説明した。

 一方、ザビル研究室の3人は人工知能を搭載したカメラが動く物体を撮影し、動物を検知した場合は畑などの利用者へ通知するシステムの概要を解説。「人工知能が学習を重ね、写真からサルを発見することが可能になった。今後は撮影端末を農地の近くに設置し、野生動物の出現を通知するシステムの構築を目指す」と述べた。

鶴岡高専の学生がデジタルを活用した調査研究のまとめを報告した
鶴岡高専の学生がデジタルを活用した調査研究のまとめを報告した


2023年(令和5年) 2月23日(木)付紙面より

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彫刻家・一色さんの作品と対面 致道博物館 寄贈者の原科夫妻訪問

 高村光太郎賞などを受賞した彫刻家・一色邦彦さん(1935―2022年)のブロンズ像作品が鶴岡市の致道博物館に寄贈され、寄贈者の銅版画家・原科成美さん(75)、一枝さん(74)夫妻(東京都江戸川区在住)が19日、同館を訪れて酒井忠久館長と懇談した。一色さんは昨年12月に87歳で死去しており、成美さんは「長くわが家で保管したままだった一色さんの作品を多くの方々から見てもらえるようになった。亡くなられた一色さんの供養になる」と感慨深そうに話した。

 一色さんは東京生まれで、父親の郷里の茨城県土浦市に疎開。東京藝術大彫刻科卒業。数々の賞を受賞するとともに、全国各地で個展を開くなど活躍した。

 成美さんは土浦市出身で原科夫妻は古くから一色さんと親交があり、一色さんの1996年の作品「津舞1」(高さ約80センチ)が、一枝さんの父親を通じて原科夫妻に贈られた。長く保管されたままで公開されることはなかったが、鶴岡市と江戸川区の友好都市交流で原科夫妻と30年来のつながりがある菅原弘紀さん(78)=県自動車販売店リサイクルセンター専務=が仲介する形で、この作品が2020年8月、致道博物館に寄贈された。

 コロナ禍で原科夫妻は寄贈の際に立ち会うことができず、この日初めて致道博物館展示会場入り口に設置された一色さんの作品と対面した。

 武蔵野美術大卒で銅版画家の成美さんはイタリアをはじめ欧州を中心に海外で多くの個展を開き、イタリア・フィレンツェの美術館などに作品が収蔵されている。国内でも各地で個展が開催され、鶴岡市では95年にトヨタカローラ鶴岡店ふれあいギャラリーで初の個展開催以来、致道博物館や今井アートギャラリーで個展を開いている。成美さんは「縁のある鶴岡市の致道博物館に展示していただいた。とても良い場所に展示していただき、一色さんも作品を見てもらえるようになって喜んでいるのでは」と話した。作品の題名は漁港で見た舞のことを示すという。一色さんのシリーズ作品の一つ「津舞2」は66年の第9回高村光太郎賞を受賞した。

 寄贈を受けた酒井館長は「設置した一色さんの素晴らしい作品を、原科さん夫妻からようやく見ていただくことができた。菅原さんはじめ関係した皆さんのおかげです」と感謝の言葉を述べた。

一色さんのブロンズ像作品「津舞1」と寄贈者の原科成美さん(左)、一枝さん夫妻=19日、鶴岡市・致道博物館展示会場入り口
一色さんのブロンズ像作品「津舞1」と寄贈者の原科成美さん(左)、一枝さん夫妻=19日、鶴岡市・致道博物館展示会場入り口


2023年(令和5年) 2月23日(木)付紙面より

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平均志願倍率0.8倍 過去最低 鶴工情報通信1.93倍の高倍率 鶴南1倍下回る 県公立高一般入試

 県教育委員会は21日、2023年度公立高校入学試験(一般選抜)の志願状況を発表した。推薦入学内定者を除いた平均志願倍率は全日制が前年度より0・02ポイント低い0・82倍となり、6年連続で1倍を下回った。定時制は同0・02ポイント高い0・48倍だった。全定合わせた平均志願倍率は前年度より0・02ポイント低い0・8倍で、記録が残る1998年度以降で最低となった。

 23年度入試の全日制の実施学校数は、校数が前年度と同じだが学科数は1減の42校95学科。全定合わせた総入学定員は前年度より120人減の7040人、志願者総数は200人減の5002人。全日制の総入学定員から推薦選抜内定者(812人)を差し引いた一般選抜の定員は、前年度より119人減の5948人。これに対する志願者数は前年度比203人減の4869人となった。

 全日制42校95学科で志願者数が定員に満たなかったのは33校63学科。庄内地域では10校18学科で定員割れとなった。定時制の総入学定員は5校5学科で一般選抜定員280人に対し133人が志願した。18年度から実施している県外からの受け入れで、今回の志願者は加茂水産2人、遊佐と小国各1人だった。

 庄内地域での高倍率の学科は鶴岡工業の情報通信科が1・93倍と最も高く、酒田東の理数探究・国際探究が1・28倍、酒田光陵の情報科が1・19倍と続いた。統合によって24年度から「致道館高校」となる鶴岡南は0・94倍、鶴岡北は1・02倍だった。

 一般入試は3月7日(火)に行われる。今回から、同12日(日)に追試が実施され、新型コロナウイルス感染などを含め、やむを得ない事情で受験できなかった生徒が対象となる。合格発表は同17日(金)に各校で行われる。

 庄内地域の学校別合格発表予定時間は次の通り。

 ◇3月17日▽午後3時=鶴岡北、加茂水産、庄内農業、庄内総合(全定)、遊佐▽午後3時半=鶴岡工業▽午後4時=鶴岡南、鶴岡中央、酒田東、酒田西(全定)、酒田光陵

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