2023年(令和5年) 5月5日(金)付紙面より
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酒井忠次公ゆかりの地で時代考証陣が語る―。NHK大河ドラマ「どうする家康」の時代考証を担当している柴裕之東洋大文学部非常勤講師と平山優健康科学大特任教授による歴史講演会「家康と忠次が生きた時代―危機を乗り越えた先に―」が6月3日(土)、鶴岡市中央公民館で開かれる=写真。入場無料で先着300人の聴講を受け付けている。
酒井家庄内入部400年記念事業NEXT(ネクスト)100として、同記念事業実行委員会が主催、「徳川家康と酒井忠次」の特別展を開催中の致道博物館が共催する。家康と「徳川四天王」の筆頭に挙げられる庄内藩主酒井家の祖・忠次公が「天下取り」に向け歩んだ戦国時代の学びを深めながら、改めて酒井家と庄内の歴史と文化を見つめ直す機会とする。
柴さんが「家康と忠次―二人が歩んだ徳川家の戦国時代」、平山さんが「家康VS武田信玄・勝頼―戦争と外交」と題して講演。引き続き、時代考証から見た家康と忠次公について対談する。
入部400年記念事業公式サイトの応募フォーム(QRコード)から申し込みできる。問い合わせは市社会教育課=電0235(57)4868=へ。
「どうする家康」と連携冊子 ゆかりの地鶴岡の歴史と文化紹介 9万部発行 市内各施設で無料配布
鶴岡市は、庄内藩主酒井家の祖・酒井忠次公が徳川家臣団のリーダーとして登場しているNHK大河ドラマ「どうする家康」と連携し、同市の魅力をアピールする冊子を発行した。忠次公役の大森南朋さんのインタビュー記事など番組に関するページとともに、忠次公ゆかりの地として「酒井家の城下町鶴岡」の歴史と文化を紹介した。9万部発行し、同市内の関連施設などで無料配布している。
NHKとの相互協力で作成、発行した。これまでの大河ドラマでも同様に、NHKは関係する自治体と連携した地域ごとのPR冊子を作っている。
冊子のタイトルは「どうする家康+山形県鶴岡市」で、A4判カラー8ページ。表紙に主人公家康役の松本潤さんを配し、登場する人物の関係図、大森さんの記事を掲載。インタビューに大森さんは「徳川勢には、これからもさまざまな苦難が待ち受けます。三方ヶ原の戦いや設楽原の戦い、本能寺の変…。(中略)さらなる家康の成長、そして忠次たち家臣団の活躍にぜひご期待ください」と答えている。
酒井家の城下町鶴岡のPRは後半に4ページ分ある。旧鶴ケ岡城跡の鶴岡公園と周辺のマップを載せ、庄内藩校致道館や荘内神社、致道博物館、酒井家の菩提寺・大督寺などを紹介。併せて「鶴岡グルメ」として地魚や笹巻、麦切りなど食文化も発信。旧庄内藩士の開拓による松ケ岡開墾を起点にした日本遺産「サムライゆかりのシルク」の構成文化財も写真入りで紹介した。
鶴岡市内の公共・文化・観光施設をはじめ、県内や宮城・秋田・新潟の隣県の道の駅、観光案内所などに置いて配布するほか、首都圏のふるさと会、東京都の江戸川区と墨田区、新島村、北海道の木古内町と名寄市、鹿児島県の鹿児島市と曽於市の友好都市にも送り、忠次公ゆかりの城下町をアピールし誘客に役立てる。発行経費は約450万円。
2023年(令和5年) 5月5日(金)付紙面より
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鶴岡市山五十川の河内神社の春祭典が3日、同地区で行われた。地元に伝わる県指定無形民俗文化財「山戸能」と「山五十川歌舞伎」が神社境内の古典芸能伝承館で奉納上演され、大勢の見物客がステージ上で繰り広げられる演目に見入った。
山戸能は能楽が伝えられた平安時代に始まったとされ、1964年に県の文化財指定を受けた。また、山五十川歌舞伎は300年ほど前の江戸中期、神楽に関連した村芝居として始まったと伝えられ、86年に県の文化財指定を受けた。一つの地域に能と歌舞伎が伝えられているのは全国でも珍しく、現在は山五十川古典芸能保存会が継承と後継者育成に取り組んでいる。
能の上演ではあつみ小学校の児童による「恋慕の舞」、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「式三番」に続き、たおやかな天女と勇壮な龍神の舞が見どころの番能「竹生島(ちくぶじま)」が披露され、観客を魅了した。
続く歌舞伎の演目は、源平合戦を題材にした「一谷嫩(いちのたにふたば)軍記 須磨の浦組討の場」。せりふを決めた役者が見えを切ると、観客は拍手と大きな声援を送った。
地元に住む本間美加さん(59)は「山戸能と山五十川歌舞伎は地域の誇りでかけがえのない伝統芸能。子どもや若い人にこれからも引き継いでいってほしい」と語った。
2023年(令和5年) 5月5日(金)付紙面より
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鶴岡市黒川の春日神社(難波玉記宮司)で3日、例大祭が行われ、地区に500年以上伝わる神事能「黒川能」=国指定重要無形民俗文化財=が奉納上演された。
上演されたのは式三番に続いて能「小鍛冶(こかじ)」と狂言「附子」、能「春日龍神」。平安初期(807年)に創建されたと伝わる春日神社本殿で上座と下座の能役者が伝統の舞を奉納した。
このうち「小鍛冶」は平安時代に京都で実在した刀匠にまつわる話。キレのある舞と快活な謡が特徴で前半から後半まで見どころが多い人気の番組として知られる。コロナ禍の3年間は感染防止対策のため関係者だけで行われてきたが、この日は久しぶりに一般にも公開された。訪れた人たちは舞台の前に座り、笛や小鼓の音が響く中、役者が演じる舞を見つめていた。
春日神社の神事能・黒川能は例年2月1日の王祇祭、3月23日の祈年祭、5月3日の例大祭、11月23日の新嘗(にいなめ)祭で奉納上演される。このほか、7月に櫛引総合運動公園野外ステージで「水焔の能」、10月にはろうそくの明かりの中で演じられる「蝋燭(ろうそく)能」も行われる。
「大御幣」練り歩く 上寺祭り
遊佐町上蕨岡の鳥海山大物忌神社蕨岡口之宮の例大祭(通称・上寺祭り)が3日、境内や参道で繰り広げられた。若衆が担いだ神の依代(よりしろ)「大御幣(だいおんべい)」が参道を練り歩き、祭り客はその勇壮さに拍手や歓声を送っていた。
約300年の歴史がある伝統の祭り。先端に太陽と月の両神を表す扇を付けた竹製で高さ約4メートルの大御幣を威勢よく担いで参道を練り歩くのが特徴で、華やかな花笠舞で知られる同神社吹浦之口宮の例大祭(吹浦祭り)と対比されることが多い。
この日は午後3時すぎから地区公民館「大鳳館」の玄関先に安置された大御幣の前で獅子舞を奉納。雲ひとつない好天の中、法被姿の若衆約20人が大御幣を担いで約250メートル区間を練り歩き、大鳥居前で空高く立てると熱気は最高潮に。行楽客からは拍手と歓声が上がった。
さらに本殿前まで大御幣を運び穴に据え、地区民が五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。引き続き境内の神楽殿では、県指定無形民俗文化財「蕨岡延年の舞」が奉納上演された。
2023年(令和5年) 5月5日(金)付紙面より
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鶴岡市田麦俣の山形自動車道田麦俣トンネルで車2台が衝突し5人が死傷した交通事故を受け、県警高速道路交通警察隊は3日、大型連休中で通行量が増えた高速道の県内6カ所のサービスエリアで事故防止の啓発活動を行った。
このうち庄内では同市板井川の櫛引パーキングエリア(PA)でドライバーにチラシを配り安全運転を呼び掛けた。同隊の齋藤満鶴岡分駐隊長が櫛引PAに立ち寄ったドライバーに、大型連休中に庄内地方への観光目的だった車同士が衝突した事故概要を説明しながら「運転中に疲れたら無理せず休憩を」などと書かれたチラシを配った。
齋藤分駐隊長は「慣れない長距離運転は疲れやすいのでこまめに休憩を取りながら時間に余裕を持って行動してほしい。トンネル内は視界が単調なので集中して運転してほしい」と話していた。
事故現場は片側1車線で制限速度は70キロ。鶴岡市街地方面に向かって下り線を走行していた車が対向車線にはみ出し、上り線を走っていた車と衝突した。