2024年(令和6年) 3月28日(木)付紙面より
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酒田市出身の大学生による学生団体「わーくしょっぷ屋さん」が企画した教育プログラム「ワクリエイトキャンプ2024春」が23―25日の3日間、市産業まちづくりセンター「サンロク」(所長・安川智之副市長)で開かれ、受講した児童・生徒が中通り商店街でフィールドワークを繰り広げるなどし、商店が抱えているさまざまな課題の解決策を考察した。
2019年4月に設置された酒田南高校グローバル専攻1期生の鈴木瑠花さん(20)=武蔵野大2年=と鈴木ミチルさん(20)=九州大2年=が共同代表を務める同団体がサンロクや市教育委員会の後援、中通り商店街の協力で企画。児童・生徒から地域が抱える課題について理解を深めてもらい、その解決方法を模索し実践につなげる機会をつくるのが狙い。
今回は、まちづくりや街の活性化に興味のある小学6―高校2年の男女13人が受講。同団体の2人が講師を務め、初日の23日は3、4人ずつの4グループに分かれた後、講師を務める同団体の2人が▽イベントごとから顧客を引き込めない▽空き店舗になっている箇所が多い▽店舗専用駐車場のみで店巡りができない―と、商店が抱えている課題を提示。グループ単位で対応する課題を決め、グループワークやフィールドワークに取り組んだ。
このうち「顧客を引き込めない」という課題に取り組んだグループは、協力店の一つ、同商店街の手作り雑貨と洋服の店「木いちご」を訪問、「お客さんの年代層は」「普段の宣伝方法は」「イベント参加への検討は」「どんなイベントがあったら良いと思うか」など、解決案を考えるため熱心に質問していた。
受講した酒田南高1年の岡野未來(みく)さん(16)は「お店からどんな返答が出るか分からず、質問はとても緊張した。『軽食や食材がメインとなるイベントは雑貨店にとってハードルが高い』と思われていることなど、お店の年代やジャンルによって課題や意見が違い、解決策は一様ではないと感じた」と話し「多くの人のニーズに沿えるような解決策を考えたい」と続けた。その後、受講者たちは解決に向けたアイデアを互いに話し合い、最終日の25日は協力店の店主やアドバイザーを務めた矢口明子酒田市長らを前に解決方法をプレゼンテーションした。
鈴木瑠花さん、鈴木ミチルさんは「より実践に近いプログラムを企画し、将来的には酒田の若者の選択肢が広がるよう、ワークショップが身近に感じるような活動を展開していきたい」と話した。