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2024年(令和6年) 5月1日(水)付紙面より

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酒田港の基地港湾指定で活力を

 酒田港が国土交通省から「海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾(基地港湾)」に指定された。基地港湾指定で酒田港は洋上風力発電用の巨大風車などを組み立てて積み出す拠点港になり、庄内沖で進む風力発電施設建設に弾みがつく。国交省はこれまで全国5港を基地港湾に指定していて今回、酒田港と青森港が加わった。

 庄内沖での洋上風力発電導入は、「促進区域」に指定されている遊佐町沖で事業者公募がすでに始まっており、酒田市沖も「有望な区域」に選ばれている。庄内の海は風力発電の潜在力が高い一方、風車建設が環境などに影響を与えないか心配する声もある。しかし、再生エネ導入は雇用の場確保につながり、人口減少を止めることへの期待も開けるのではないか。

◇      ◇

 遊佐町沖の促進区域指定で事業者を公募中の洋上風力発電施設は、海底に固定する着床式風車を30基前後建設する。発電出力は45万キロワットを見込み、風車は高さ約260メートル、羽根の直径は約235メートルと大きい。重厚長大な風車関係機材を扱い、建設現場に輸送するには、それに適した港の埠頭(ふとう)を必要とする。基地港湾としての整備は、遊佐沖に続く酒田沖への風力発電建設という大規模プロジェクト推進に欠かせない。

 国交省は2024年度の直轄事業地に酒田港外港地区国際物流ターミナル整備を選定している。長さ230メートル、水深12メートルの岸壁整備などを予定している。それに続く、基地港湾指定は、洋上風力発電の風車設置作業、維持管理の拠点化を図るために欠かせない。

 庄内沖の風況は、洋上風力発電の潜在能力が大きく、将来の再生可能エネルギー供給地としての期待が持たれている。基地港湾指定について、庄内開発協議会最高顧問の新田嘉一平田牧場グループ会長は「酒田は港があって栄えてきた。基地港湾指定によって予算が付き、整備が加速する。大型クルーズ船も寄港している。北前船が往来していた往時の勢いがよみがえってほしい」と期待を寄せている。

◇      ◇

 先ごろ、民間有識者でつくる「人口戦略会議」が全国の自治体の持続可能性を分析して公表した。50年には鶴岡、酒田、庄内、遊佐の4市町が、若年女性の減少率が大きいことで、将来的に自治体の存続が困難になる「消滅可能性自治体」として分類された。三川町は減少率が緩やかだとして含まれなかったが、庄内全体の問題として考えれば穏やかでない話だ。

 洋上風力発電導入と酒田港一帯の整備によって期待できるのは、地元企業の受注機会の拡大、風車の輸入や保守点検整備などに伴う新たな産業創出による雇用拡大、交流人口拡大も期待できる。洋上風力発電関連産業が進展し、若い人が地元に定着してこそ地域経済が活性化する。洋上風力発電による活性化への期待は大きい。

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