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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 5月15日(水)付紙面より

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公益大公立化目指し動き活発化 庄内5首長へ 地元経済団体トップ緊急要望

 庄内地域の商工会議所、商工会の経済団体のトップが13日、東北公益文科大の公立化に関し、速やかに議論を進めるよう、庄内5市町の首長に緊急要望した。17日には5市町と経済団体などで構成する庄内開発協議会(会長・矢口明子酒田市長)による吉村美栄子知事への要望活動も予定され、公益大の早期公立化実現を目指す動きが活発化している。


庄内開発協としてもしっかりと速やかな議論知事へ求めてほしい

 緊急要望を行ったのは、上野雅史鶴岡商工会議所会頭、加藤聡酒田商工会議所会頭、庄内の各商工会で組織する庄内地区商工会広域連携協議会の上野隆一会長(出羽商工会長)。三川町の県庄内総合支庁で行われた開発協の2025年度庄内地方重要事業の要望活動の後、3会頭・会長が5首長と面会し、公益大の公立化に関する要望書を手渡した。

 代表して上野会長は、県と庄内14市町村(当時)による「公設民営」方式で2001年に開学した公益大は、急速に進行する少子化などで大学を取り巻く環境の厳しさが増し、存続するためには機能強化に加えて公立化による安定した経営基盤の確立が急務だと指摘し、「昨年3月に県と庄内2市3町が取りまとめたロードマップに従い、26年4月の公立化を目指し、速やかに議論を進めてほしい」と述べた。その上で、「公立化を実際にどこが、どのように進めるのか動きが見えない。誰かがやってくれるだろうといった感じがする。開発協としてもしっかりと知事に要望してほしい」と加えた。

 庄内総合支庁への要望活動で、早期公立化を要望した開発協の矢口会長は、経済団体からの要望に対し、「開発協として県に要望するとともに、2市3町の首長としてもしっかりと支えていく」と語った。

 3経済団体のトップは17日、開発協の知事要望活動に先立ち、吉村知事宛ての同様の要望書を県に提出する予定。公益大の早期公立化を巡っては先月26日、庄内5市町議会の正副議長で構成する庄内市町村議会議長会(会長・佐藤猛酒田市議会議長)が初の共同声明発表の中で、「スピード感を持った議論が必要」と提言した。

庄内地域の3経済団体トップが、5市町長に公益大の早期公立化を緊急要望した=13日、県庄内総合支庁
庄内地域の3経済団体トップが、5市町長に公益大の早期公立化を緊急要望した=13日、県庄内総合支庁


2024年(令和6年) 5月15日(水)付紙面より

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酒井家入部400年記念し制作 東北芸工大生「令和の大絵馬」 天下泰平・五穀豊穣の祝賀能描く 荘内神社

 酒井家庄内入部400年を記念し、鶴岡市の荘内神社(石原純一宮司)が東北芸術工科大(山形市)の学生に依頼して制作した能「翁(おきな)」の大絵馬のお披露目会が11日、同神社で行われた。縦90センチ、横180センチの畳1畳分の大きさのスギ材の木目を生かして描いた色鮮やかな絵馬に、集まった関係者から歓声と拍手が湧き起った。

 2022年の入部400年記念として同年6月、鶴岡市の荘銀タクト鶴岡で、人間国宝など当代一流の能楽師を迎えた宝生流能楽公演が庄内能楽館(酒田市)主催で開かれた。本公演に先立ち同神社で、宝生流20代宗家の宝生和英(かずふさ)さん、狂言方和泉流の野村萬斎さんらが、天下泰平・五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る「翁」の祝賀能を奉納した。

 荘内神社には、明治時代に同市内で演じられた「翁」を題材に1886(明治19)年に制作された大絵馬が奉納されており、今回、入部400年記念の祝賀能を「令和の大絵馬」として長く後世に伝えようと、同神社が昨年6月、芸工大美術科日本画コースの学生12人に制作を依頼した。

 お披露目会には、旧庄内藩主酒井家18代当主の酒井忠久さん・天美さん夫妻ら関係者約30人が参列。同神社拝殿で神事の奉納奉告祭が行われ、約140年前の「明治の大絵馬」とともに、完成したばかりの「令和の大絵馬」が披露された。新たな大絵馬の裏側には、祝賀能に関係した能楽師や制作に携わった学生の名前、スギ材を提供した同市の製材会社・大和などが記された。芸工大4年の竹原雅さん(24)は「貴重な経験をさせていただき、とても光栄で感謝している。庄内藩酒井家の400年の歴史や伝統を感じ取ってもらえたらうれしい」と話した。

 奉告祭の後、地元の鶴岡五雲会と庄内謡曲愛好会が「絵馬」「羽衣」の演目を奉納した。明治と令和の2つの大絵馬は今後、同神社宝物殿で一般公開する予定。

お披露目された祝賀能「翁」の「令和の大絵馬」と制作に携わった芸工大の学生
お披露目された祝賀能「翁」の「令和の大絵馬」と制作に携わった芸工大の学生


2024年(令和6年) 5月15日(水)付紙面より

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シンボル磨きピカピカに 酒田まつりへ「獅子洗い」

 庄内三大祭りのトップを飾る「酒田まつり」(19―21日)を前に13日、恒例の「獅子(しし)洗い」が酒田市内の大獅子・仔(こ)獅子設置箇所で行われた。あいにくの雨降りの中、参加者が1年分の汚れを落とした上できれいに磨き上げ、祭り当日に備えた。

 1976年10月29日に発生した酒田大火からの復興を祝って79年、酒田のさらなる発展や災害防止の願いを込め、「霊獣」として民間信仰の対象だった「大獅子」が黒、赤2体ずつ計4体制作され、同年5月の酒田まつりの山車行列で初めて街中を練り歩いた。普段は市内各所に飾られており毎年、酒田まつりの際に山車行列巡行に参加している。

 この日は大獅子と仔獅子計8体を清掃。中町モールにある「山王」「日和」の作業には、市職員、中町中和会商店街振興組合員計5人が参加。脚立に上った職員と組合員は獅子全体に水を掛けた後、スポンジやタオルで隅々まできれいにふき上げた。同組合の脇屋直紀理事長(64)は「大獅子は商店街のシンボルであり、繁栄の守り神。厳しい状況が続くが、祭りを機に市民からより愛される商店街を目指す」と話した。

 一方、子どもたちの無病息災を願って大獅子の口の中に入れ、かんでもらう名物「獅子パックン」に関して市交流観光課は、20日の山車行列巡行に出る前の午前9時15分ごろから同11時ごろまでの間、待機場所となっている、いずれも大通り沿いに位置するたくみ通り東端、港タクシー付近で実施し、巡行中は原則行わないという。

あいにくの天候の中、大獅子洗いに精を出す職員と組合員たち=中町モール
あいにくの天候の中、大獅子洗いに精を出す職員と組合員たち=中町モール


2024年(令和6年) 5月15日(水)付紙面より

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庄内を持続させる政策進めたい

 庄内開発協議会は、2025年度に国や県などへ要望する庄内地方重点事業要望項目を決めた。少子化、高齢化、若年人口流出など、地域の力が失われる事態が続いている中で、要望項目のどれもが将来まで持続可能な庄内地域のために欠くことができない。人々が安心して住み続けられるため、特に人口流出をどのように抑えていくかが課題になる。

 加速する人口減少社会に、民間有識者の「人口戦略会議」が全国の自治体の将来像を分析し、50年には鶴岡、酒田、庄内、遊佐の4市町が自治体の存続が困難になる「消滅可能性自治体」に含まれた。そうならないためにも、重点事業の一つ一つを着実に実らせていかなければならない。

◇      ◇

 地方の力が落ちてきているのは、東京への一極集中が止まらないせいもある。消滅可能性自治体は、子どもを産む中心世代の20~39歳の女性が減っているのが一因とされる。しかし三川町はその減少率が緩やかだとして、同自治体には含まれなかった。保育施設の整備、子育て応援制度、酒田市や鶴岡市のベッドタウン化していることなどが若年層が定住する要因になっているようだ。

 若年層を地元に定着させる意味合いもあり、酒田市の東北公益文科大学は26年4月の開設を目指し、国際系の新学部・学科を設置する計画で、25年3月をめどに文部科学省に認可申請する。大学の機能強化の一環だが、新田嘉一理事長は常々「海外に出て視野を広め、海外から日本を見た経験を生かせ」と学生に語ってきた。国際系の学部新設は新田理事長の考えに沿うものだ。また少子化の中でも、地方自治体が設置する公立大が増えている。教育内容の充実で若者の都市部流出を食い止める狙いもある。県には早い段階で着実に公立化を進めてもらいたい。

 酒田港に初の内航航路が開設され新潟、博多(福岡市)、門司(北九州市)を結ぶコンテナ船の第1船が入港した。週1便運航される。現在の韓国と中国の外航航路に加えての内航航路は、北前船交易で栄えた往時の再来の感がある。庄内の発展につなげる弾みとしていかねばならない。

◇      ◇

 日本海沿岸東北自動車道(日沿道)も早期に全線開通させたい。秋田・新潟両県境とを接続させ、高速道路本来の機能を持たせなければならない。羽越新幹線は国の基本計画で決まっていることであり、うやむやのまま白紙にされるような事があってはならない。陸羽西線の維持継続も重要課題だ。

 庄内浜の漁業は水揚げ量が減り、新規漁業従事者の成り手の不足も深刻だ。このまま漁師の高齢化が進めば沿岸漁業にとって打撃であり、打開策を探りたい。庄内沖の洋上風力発電導入も前進し、新規雇用も期待できる。庄内が秘めている可能性を探し、持続策につなげていきたい。

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2024年(令和6年) 5月15日(水)付紙面より

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鶴岡市街地でイノシシ1頭目撃 13日夜に中央公民館付近 注意呼び掛け

 鶴岡市の市街地路上で13日夜、成獣とみられるイノシシ1頭が目撃された。14日朝の通学時間帯を含め鶴岡署がパトカーを出動させるなど、警戒に当たった。

 同署によると、13日午後9時ごろ、同市みどり町の市中央公民館の南東約50メートルの道路上を歩くイノシシ1頭(体長約1メートル)を目撃したと、20代男性が119番通報した。男性は最初、ネコと思って3メートルほどまで近づき、イノシシだと気付いたという。この目撃情報に前後して、別の市民からも現場近くでイノシシを目撃したとの情報も寄せられた。

 鶴岡署は、市に連絡するとともに、市を通じて近隣の小中学校に登校の際の注意を呼び掛けた。13日夜から14日朝にかけてパトカーで現場周辺を警戒。14日午前8時までは人的、物的被害は確認されておらず、他の目撃情報も入っていない。市も14日朝、広報車で注意を呼び掛けた。



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