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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 4月28日(日)付紙面より

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無事故と乗船客増祈願 観光シーズン前に「最上川舟下り」

 大型連休などの観光シーズンを前に、「最上川舟下り」の安全運航祈願祭が25日、戸沢村の戸沢藩船番所で開かれ、地元や庄内地方などの自治体、観光業関係者らが無事故と乗船客増を祈願した。

 この日は関係者ら約100人が出席。出羽三山神社の山伏による神事の後、船を運航する最上峡芭蕉ライン観光の鈴木富士雄社長が「最上峡は今が一番きれいな季節。運輸事業者にとって安全は全ての根幹。今日の祈願祭を機に一層安全運航に努めていく。中小企業の経営は厳しいが、今年はインバウンドの増加でいい流れができている。社員と協力して乗り越えていきたい」とあいさつ。続いて、戸沢学園4年生28人が「最上川舟歌」を元気よく歌い上げた。

 祈願祭後は児童や招待客らが試乗船に乗り込み、春の最上峡を楽しんだ。

 同社によると、昨年の乗船者数は約5万人。今年は6万8000人の利用を見込んでいる。今年に入り、台湾などのインバウンドが好調という。

 同社が運航する舟下りは船番所から白糸の滝近くの草薙まで12キロ、約1時間。片道料金は大人(中学生以上)2800円、子ども(小学生)1400円。問い合わせなどは最上峡芭蕉ライン観光=電0233(72)2001=へ。

試乗船で最上川観光に出発する戸沢学園児童ら
試乗船で最上川観光に出発する戸沢学園児童ら


2024年(令和6年) 4月28日(日)付紙面より

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鶴岡市熊出 かたくり温泉 「ぼんぼ」再開!! 

地域の財産有効活用へ
ファンの期待に応えスタッフ決意新た

 鶴岡市熊出の温泉施設「かたくり温泉ぼんぼ」が27日、営業を再開した。地元・朝日地域の住民で組織する「NPO法人こみっとAFC」(菅原和則理事長)が運営する。初日から「ぼんぼファン」が訪れ、温泉入浴を楽しんだ。

 この日は正面玄関エントランスでオープニングセレモニーが行われ、こみっとAFCの菅原理事長ら関係者がテープカット。地元和太鼓グループ「祥雲御山(しょううんみやま)太鼓」のメンバーが威勢よく太鼓を打ち鳴らし、ぼんぼの再出発を祝った。

 菅原理事長は「地域の貴重な財産を有効活用するためトライアル営業を経てこの日を迎えた。スタッフ一丸となって努力し、ぼんぼファンの期待に応えたい」と話した。昨年8月から3カ月間のトライアル事業では目標に掲げた1日平均150人の利用があり収益計画の審査を経てこみっとAFCが通年営業する運びとなった。

 ぼんぼの利用時間は午前10時―午後9時。毎月第1、第3水曜日は休館となる。料金は大人(中学生以上)450円、小学生150円、未就学児は無料。お得な回数券(11回券4500円、23回券9000円、1カ月券1万円)も窓口で販売している。

 問い合わせは、ぼんぼ=電0235(26)1638=へ。

テープカットし「ぼんぼ」の再出発を祝った
テープカットし「ぼんぼ」の再出発を祝った


2024年(令和6年) 4月28日(日)付紙面より

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鳥海ブルーライン開通

 鳥海山(標高2236メートル)の中腹を通り、遊佐町と秋田県にかほ市を結ぶ山岳観光道路「鳥海ブルーライン」(全長約35キロ)が26日、全線開通した。青空が広がる穏やかな天候の中、川崎、名古屋、富士山といった県外ナンバーの車やオートバイが数多く訪れ、道路脇にまだ2メートルほどの雪が残る中、爽快なドライブを楽しんだ。

 遊佐町側では午前10時に旧小野曽ゲートで神事が行われ、松永裕美遊佐町長はじめ関係者が安全を祈願。その後同11時に秋田県にかほ市にある稲倉山荘(標高1150メートル)で秋田県側との合同開通式を行った。

 松永町長は「鳥海山からの恵みに感謝し、両県、東北を盛り上げていきましょう」、市川雄次にかほ市長は「観光シーズンが始まったという気持ち。鳥海山という大きな恵みを大切にし、観光に生かしていきたい」と、それぞれ呼び掛けた。

 引き続き神事が行われ、両市町の関係者がシーズン中の無事故・安全を祈り玉串をささげた。同ラインの県境では、開通を待ちわびた登山者や観光客の車が多く行き交い、残雪登山や山菜採り、絶景の撮影などを楽しんでいた。同ラインは路面凍結の恐れがあるため当面、午後5時から翌朝8時まで封鎖される。

雪の間を縫って鳥海ブルーラインをドライブ=26日、遊佐町吹浦
雪の間を縫って鳥海ブルーラインをドライブ=26日、遊佐町吹浦


2024年(令和6年) 4月28日(日)付紙面より

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酒田市日向地区 農村RMO形成へ 県内初の協議会設立

「力合わせ 夢を持って」
将来ビジョン策定地域運営目指す

 過疎化が進む地域の農地保全、集落における基本的な生活機能の維持・強化を図る「農村型地域運営組織(農村RMO)」の形成を目指し酒田市日向地区で25日、地域の関係団体・企業が「日向ふるさとづくり協議会」を設立した。農村RMO形成に向けた取り組みを行う協議会の設立は県内初。協議会は地域の将来ビジョンを策定した上で、農地の粗放的利用、有害鳥獣被害対策などに取り組みながら2026年度までの形成を目指す。

 農村RMOは、近隣の複数の集落が手を取り合って集落機能を補完し、さらには非農家や企業などとも連携しながら地域全体で農用地保全活動や農業を核とした経済活動、生活支援まで行う新たな仕組み。RMOは「Region Management Organization」の頭文字を取ったもの。「地域で支え合うむらづくり」を掲げて農林水産省が形成を推進している。

 同省、日本農業振興会制定「豊かなむらづくり全国表彰事業」の「農林水産祭むらづくり部門」で2022年度、日向コミュニティ振興会(小松幸雄会長)が「農林水産大臣賞」を受けた。市八幡タウンセンターで昨年2月に行われた祝賀会の席上、講演した弘前大人文社会科学部の平井太郎教授が「農村RMO」について解説。これを受け日向コミ振はさらなる高みを目指し、県庄内総合支庁、市との情報交換、先進地視察を行うなど協議会設立を検討してきた。

 同市の日向コミュニティセンターで開かれた設立総会では、協議会参画の日向コミ振や地元の農業・NPO法人、酪農など計13団体・企業の代表らが出席。規約・細則など承認、小松会長を協議会長に選出した。

 規約によると、農村RMOを形成し地域コミュニティの維持・強化のため、まずは▽将来ビジョンの作成▽将来ビジョンに基づく調査・計画策定▽将来ビジョンに基づく実証試験―などを展開する。農用地保全部、地域資源活用部、生活支援部の3専門部会を設置。具体的な事業としては高齢者も活用できるアプリの開発、冷涼な環境でも生産可能なクランベリーの栽培、耕作放棄地聞き取り調査などに取り組む。県と市、東北公益文科大学、市社会福祉協議会、NTT東日本、無印良品酒田POP―UP STOREなどがオブザーバー「ふるさとづくりサポーター」として活動をサポートする。

 小松会長は「みんなが力を合わせ、夢を持ってビジョンを策定し実行に移していきたい」と話した。県によると、同市大沢地区でも来月以降、同様の協議会が設立される予定という。

農村RMO形成へ日向ふるさとづくり協議会が設立
農村RMO形成へ日向ふるさとづくり協議会が設立


2024年(令和6年) 4月28日(日)付紙面より

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旧西田川郡役所3年ぶり再公開 「大名酒井家の名宝」展始まる 致道博物館

 致道博物館(酒井忠順館長)で27日、国指定重要文化財「旧西田川郡役所」の3年ぶりの再公開と、美術展覧会場で旧庄内藩主酒井家初代・徳川四天王筆頭の酒井忠次ゆかりの国宝の太刀二振りなどを公開する展示会「国宝展示 大名 酒井家の名宝」が始まった。ゴールデンウイークが始まり、県内外から大勢の来場者でにぎわいを見せていた。

 旧西田川郡役所は、5年前の山形県沖地震で被害を受けて公開を中止していたもので、クラウドファンディングなどで支援を募り、常設展示内容を一新しリニューアルオープン。1階に日本を代表するドールハウス作家の故・礒貝吉紀さんの作品のうち西洋関連28点、極小雛(ひな)道具研究家・川内由美子さんから寄贈された約2000ピースの欧州アンティークミニチュア洋食器を展示。2階には庄内の歴史を伝える各種考古資料を展示した。建物上部の時計台にある大時計(直径90センチ、電気式)も修理し、今月初めに再始動した。

 「酒井家の名宝」は4―6月に県とJR東日本が展開する「山形県春の観光キャンペーン」に合わせ、6月17日まで開催。忠次が織田信長、徳川家康から拝領した国宝「太刀銘真光」「太刀銘信房作」、重要文化財「短刀銘吉光(名物信濃藤四郎)」、初出品となる酒井家3代・忠勝が3代将軍・家光から拝領した「太刀銘延房」の刀剣類をはじめ、甲冑(かっちゅう)や書画、茶道具、能装束など「酒井家の名宝」約50点を展示。江戸幕府が将軍の代替わりのたびに諸大名に発給した領地支配を認める証明書「御判物(ごはんもつ)」は今回、初めて全てをそろえて公開した。御判物には将軍の花押が記されている。

 リニューアルオープンと名宝展開幕の記念セレモニーが、旧西田川郡役所前庭で開かれ、酒井館長が「多くの方々の支えで、再始動できた。今後50年、100年続く博物館を目指す」とあいさつ。酒井忠久名誉館長らと共にテープカットで祝った。名宝展は「刀剣乱舞ONLINEゲーム」との連携企画で、セレモニーには宣伝隊長「おっきい こんのすけ」も参加した。

テープカットで旧西田川郡役所の再公開と「酒井家の名宝」展の開幕を祝った
テープカットで旧西田川郡役所の再公開と「酒井家の名宝」展の開幕を祝った

国宝の太刀二振りなど「大名酒井家」の名宝の数々が展示されている
国宝の太刀二振りなど「大名酒井家」の名宝の数々が展示されている


2024年(令和6年) 4月28日(日)付紙面より

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公益大公立化速やかに議論 庄内5市町議長会が共同声明

 庄内5市町議会の正副議長で構成する庄内市町村議会議長会(会長・佐藤猛酒田市議会議長)は26日、地域課題となっている人口減少を抑制するため、東北公益文科大(酒田市)の公立化に向けた速やかな議論と、利便性向上、広域観光に資する庄内広域公共交通整備に関する議論に取り組むとした共同声明を発表した。

 酒田市のガーデンパレスみずほで開かれた同会の総会・研修会終了後、2市3町の正副議長がそろって記者会見した。

 声明では、少子化が急速に進む中、庄内地域にとって極めて大切な教育拠点となっている公益大の存続には公立化が欠かすことができず、昨年3月に県と2市3町が示したロードマップに沿い、2026年4月の公立化に向けてスピード感を持った議論が必要としている。

 一方、庄内地域における広域公共交通に関し、買い物や通院など地域住民が生活するための「足」、インバウンドはじめ観光客の2次交通の確保を目指し、庄内地域が一つになった整備、それに向けた議論を進めるとしている。

 佐藤会長は「共同声明を発表するのは初めて。人口減少を庄内地域の喫緊の課題と捉え昨年末以降、テーマをこの2つに絞って検討してきた。議論が前に進んでほしい」と話した。



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