2005年(平成17年) 6月18日(土)付紙面より
ツイート
庄内北部の沿岸で波打ち際の岩が白くなる現象が起きている。特に遊佐町の女鹿(めが)漁港のいそ場が目立ち、地元漁師たちは「不気味だ。水質の悪化など、海が人間社会に対して何かを警告しているのかもしれない」と話す。鶴岡市加茂の県水産試験場は原因を突き止めるため、岩から採取したサンプルを調べている。
女鹿地区の漁師や住民の話によると、岩の「白色化現象」が目立つようになったのは先月下旬から今月初めにかけて。波に当たる岩の表面が、石灰がこびりついたように白くなっている。波打ち際に限らず、水深10―20センチの海水につかった岩も白色になっているところもある。
17日未明に雨が降ったが、白色化した岩に変化はなく、波が当たっても変色したりすることはない。スプーンで強くこすると、粉末状になってとれる。
女鹿地区のベテラン漁師は「昔の記憶をたどっても、このようになったことはない。沿岸部の海草が少なくなる『磯やけ現象』の一部なのでは。海の水質が悪くなっているのかもしれない」と指摘する。
白色化した岩には、小さいフジツボのような貝が付いてるものが多いことから「その死がいが時間が経過して白く変色したことも考えられる」といった見方もある。
県水産試験場・浅海増殖部の平野央研究専門員は「最初は海草の一種『石灰草』の死がいではないかと考えてみたが、違うような気がする。顕微鏡を使ったりして調べてみないと今の段階では何ともいえない」と話す。
現在、同試験場でサンプルとして採取した白い粉状を調査しており近く結果が出る予定。
「海からのSOS?」と漁師や住民の間で意見が飛び交っている岩の「白色化現象」=17日午前、遊佐町女鹿地区の沿岸