2005年(平成17年) 10月22日(土)付紙面より
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県教育委員会は20日、県立高校再編などを盛り込んだ「県立高校教育改革実施計画」に関する地域説明会を小規模校の1つ、遊佐高校のある遊佐地区で開いた。県教委側が酒田飽海地区の生徒数の今後の減少見通しなどを示した上で、参加者と意見交換した。
同計画は少子化による中学校卒業者数の減少などを背景に今年3月に策定。遊佐、加茂水産、山添の庄内地方の3校を含む7校の小規模校に関しては▽1学年当たりの募集定員が2学級(定員80人)の学校で、2005年度以降に入学者数が定員の3分の2に満たない年度が2回あった場合、原則として1学級(40人)を減じる▽1学年1学級の学校は、2年後に分校とする▽分校については原則として募集を停止する―といった方針を打ち出している。
この日の説明会では県教委側から蒲生直樹教育次長、松田裕高校改革推進室長が出席、小野寺喜一郎町長はじめ町民ら約70人が参加した。
はじめに松田室長が実施計画の内容や遊佐高の現状などを説明、「遊佐高の生徒の出身地を見ると、半分余りは地元の遊佐町。同町の中学卒業者は1994年に246人だったのが、2004年では201人。14年には127人にまで減少する見込み。今春の入学者数は48人で、定員の3分の2(54人)を下回っている」と指摘した。
意見交換では「実施計画は都市部に高校を集め、地方部の高校を切り捨てようとしていないか。ともしびを消さないでほしい」「80人を60人にするといった入学定員の見直しはできないか」といった意見が多く出された。
これに応え、県教委側は「都市と地方というよりも、子供たちにとってどういう教育環境が良いかという視点で改革を進めている。切磋琢磨は絶対必要」「選択した科目によっては少人数授業をやっているが、1学級の生徒の定員は決められており、計画も1学級40人で進めている」などと述べた。