2005年(平成17年) 11月17日(木)付紙面より
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日本古来の地場野菜の利活用法などをテーマにしたトークショー「食べなきゃ庄内!」が20日、東京第一ホテル鶴岡で開かれる。地元のシェフや料理研究家、山形大大学院生などがパネラーとなり、食前、食後の2回のトークを通し、在来野菜の魅力などを探る。
庄内地方に伝わる伝統野菜の調査と研究に取り組む組織として一昨年、山形在来作物研究会が設立された。会員は山大などの研究者や漬物メーカー、生産者ら330人。
庄内地方を中心に山形県内には在来野菜が多く残っているが、後継者不足などから種の維持や継承が難しく、絶滅の危機にあるものも多い。庄内では鶴岡市大山地区の「友江フキ」、鶴岡市宝谷地区の「宝谷カブ」、酒田市と周辺地域の「三八大根」などが生産者の減少により、姿を消す可能性があると指摘されている。
同研究会は、研究、開発、普及の3部門で構成し、部門ごとに情報収集や加工方法の開発、食文化交流活動などの活動に取り組んでいるほか、研究会誌も発行している。
昨年と一昨年は、研究会の年に1度の行事としてシンポジウムを開催。今回は、在来作物を使った料理の昼食会をはさんで、食べ方や魅力、可能性などについて肩のこらないトークを繰り広げる。
午前11時からの食前トークは、山大農学部の平智教授がコーディネートし、東京第一ホテル鶴岡総料理長で食の都庄内親善大使の古庄浩氏、山大大学院農学研究科に在籍している山崎彩香氏と島村景子氏の3人が登壇。「食材としての在来作物―その魅力と底力」をテーマに語り合う。
在来野菜を使った昼食会に続いて午後1時半から山大農学部の江頭宏昌助教授の司会で、県庄内総合支庁農業技術課産地研究室長の大野博氏、アル・ケッチァーノオーナーシェフで食の都庄内親善大使の奥田政行氏、料理研究家の漆山慶子氏が「在来野菜の食しかた―伝統と創作の世界」をテーマにディスカッションする。
トークの参加は無料だが、昼食会は予約制。事務局の平教授は「昼食会はほぼ定員に達した。午前のトークは食欲をそそるもの、午後のトークは消化を促進するものになると思うので期待してほしい」と話している。