2006年(平成18年) 3月7日(火)付紙面より
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酒田市の松原小学校(大川擴校長)の6年生が4日、自分たちが産卵床作りから手がけて産卵、ふ化させたハタハタの稚魚を、酒田北港の通称・水路に放流した。
海洋生物の保護などを行っているNPO法人「みなと研究会」(酒田市緑ケ丘、守屋元志代表理事)や東北公益文科大の学生の協力で、6年生が総合学習の一環で増殖の試験研究に取り組んできた。古くなった網に杉や松、笹の葉などを付けた産卵床を作って昨年12月初旬に水路内に沈め、1月初旬には一部の受精卵を引き揚げて水槽で観察。2月初旬ごろからふ化し、児童がプランクトンのえさを与えるなどして育ててきた。
この日の放流には6年生の有志7人と保護者らが参加。子供たちは体長1・5センチほどの稚魚、合わせて約500匹をビーカーに入れ、自分たちの卒業に重ね合わせるように、「大きくなって帰ってこいよ」と呼びかけながら放流した。うまく成長すれば3、4年後に産卵のため再び岸辺に戻ってくるという。
みなと研究会は今月半ばにも、産卵床作りから放流までの経緯をまとめ、試験研究に協力してもらった国や県、市の関係者らを招いて報告会を開く予定。
同研究会の守屋代表は「産卵床は杉の葉を付けたものが付着、発眼、ふ化率とも良かった。来年は規模を拡大して実施し、ハタハタがもっとたくさん来るようにしていきたい」と話していた。
ハタハタの稚魚を放流した松原小の6年生