2006年(平成18年) 4月5日(水)付紙面より
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庄内町狩川の「ダチョウ広場」でダチョウの保護・観察活動を展開している立川ダチョウ愛好会(高橋勝会長、会員28人)は、飼育してきたダチョウの皮(オーストリッチ)を加工し財布や印鑑ケースなど革製品を製作した。2月下旬から販売を始めたところ、珍しさと品質の良さから話題を呼び、中には品切れになるものも。高橋会長らは「今年初めて製作したが、好評ならば今秋以降にまた作りたい。今後、町の新しい特産品になれば」と期待している。
オーストリッチは、表面にイボ状の突起があるのが特徴。皮質はやわらかくしなやか。牛皮以上に耐久性があり、丈夫で長く使用できる。使いこむほどつやが出る。品質の良さからワニの皮(クロコダイル)とともに、高級皮の代名詞となっている。
ダチョウ広場は、狩川地区の住民有志が同愛好会を組織し2002年4月、約330平方メートルの畑地を借り開設した。鉄パイプで柵を組み、アフリカブラックという品種の幼鳥4羽(雄1羽、雌3羽)でスタートした。間もなく唯一の雄が病死。雌が産んだ無性卵を1個2000円で販売したところ大人気となり、これを充当し新しい雄を1羽購入した。
04年6月に「2世」が初めて誕生。順調に個体数が増えていることから昨年、食用として北月山荘に提供。赤身で柔らかい上、低コレステロール、低脂肪、低カロリーの健康食品として人気が出た。同愛好会では、この際に出た皮を使用し財布などの製作を鶴岡、酒田両市在住の革細工職人2人に依頼した。
今年に入り完成したのは、すべてオーストリッチ使用のAタイプ(3万3000円)、一部に牛皮使用のBタイプ(2万3000円)、折りたたみ式のCタイプ(1万3000円)の財布3種とともに、ポシェット(10万円)、名刺入れ(1万円)、印鑑ケース(非売品)の計6種類。すべての商品に、国内で飼育されたダチョウで生産した加工品であることを示す「日本オーストリッチ事業協同組合(JOIN)」認定の金印が押されている。
同愛好会によると、限定1個のポシェットは販売終了。財布は3種計20個、名刺入れは1個それぞれ製作。財布の在庫もわずかという。高橋会長は「ていねいな仕事で品質は良い。広告を出したわけでもなく販売開始からそれほど経っていないが、口コミで話題になったようだ」と話す。
高橋会長は「広場開設から4年。ダチョウの飼育・ふ化とともに、肉の地場消費、革製品製作という所期の目的までようやくこれた。皮の切れ端などが残っており今後、これを使った革細工教室など開催してみたい」と話している。オーストリッチ製品の購入希望や問い合わせは高橋会長=電0234(56)2182=へ。
立川ダチョウ愛好会が企画・販売しているオーストリッチの革製品