2006年(平成18年) 5月2日(火)付紙面より
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庄内松山藩荻野流砲術演武が1日、酒田市の生涯学習施設・里仁館グラウンドで開かれた。
荻野流砲術は、松山藩士の山本丈右衛門が1808(文化5)年に免許皆伝を受け、藩内や周辺に広めた。明治期以降も武者行列の中で演武していたが、戦後間もなく火薬使用の規制強化で一時、中断された。
1990年に旧松山町民の間で復活の話が盛り上がり、有志が庄内藩荻野流砲術伝承保存会(土方大美会長)を結成。伝統の作法など研究し97年、松山藩350年祭で試験発砲。98年の松山まつりで演武を披露した。2003年に旧松山町無形文化財に指定された。
この日は、保存会の土方会長、砲術隊の池田宏隊長以下、25人の隊員が短筒や細筒、口径30ミリの大筒などを使い、立って肩に構える「立ち放し」、腰に構える「腰放し」など披露。「ドーン」というごう音が響き渡り、詰め掛けた行楽客たちは「すごーい」と歓声を上げていた。
ごう音が響き渡った演武。詰めかけた行楽客から大きな歓声があがった