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荘内日報ニュース


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2006年(平成18年) 11月6日(月)付紙面より

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三川町出直し町長選 「合併反対」阿部氏大勝 町民「自立」を選択

 三川町の出直し町長選は5日、投開票が行われ、前職の阿部誠氏(54)=押切新田=が新人で元助役の五十嵐司氏(70)=押切新田=を1200票余りの大差で破り、再選を果たした。鶴岡市との合併の是非を争点にした町長選で、町民は「自立の道」を掲げた阿部氏を選んだ。公選法の規定により阿部氏の任期は残任期間の来年2月9日まで。五十嵐氏を支援したグループは次期町長選で再度、対立候補を擁立する構えで、合併をめぐり昨年2月の町議選、今回の町長選に続き、3度目の選挙が行われる可能性もある。阿部氏に6日、当選証書が付与された。

 阿部氏は9月30日付で町長を辞職後、町内各世帯を訪問。合併推進から反対に転じた理由を説明して回り、選挙戦に向けた準備を進めた。選挙期間中は合併反対派の町議3人と元町議9人の支援を受け、「住民サービスの低下など合併はデメリットばかり目立つ。きめ細かな行政サービスの継続には自立が最良」と主張。妊婦の検診費無料化や幼稚園保育料の半額、町長報酬の見直し、黒塗り公用車の廃止などを公約に掲げた。具体的な政策を提示したことで、選挙に比較的関心が薄いと言われた若い世代の取り込みに成功。選挙戦終盤になって陣営内の動きも活発化した。高い投票率も味方した。

 五十嵐氏は合併推進派の町議8人のほか、富塚陽一鶴岡市長や旧町村の首長らの支援を受け、「高度な住民サービスは一定規模以上の自治体と強い財政基盤があってこそ。鶴岡市との合併を実現することが最大の公約」と主張したものの、合併推進の「暫定政権」を掲げただけに、政策に踏み込むことができず、アピールに欠けた。知名度不足も響いた。

 三川町横山の阿部氏の選挙事務所には、開票前から陣営関係者や支持者が集まり、町役場で行われた開票状況の連絡を待った。午後9時50分ごろ、開票所の支持者から「当確」の電話連絡が入ると「よっしゃ」「やった」の歓声とともに拍手が起こった。

 万歳三唱の後、阿部氏は「厳しい選挙だったが、町民が真剣に町の将来と暮らしを考えてくれた結果、良識ある判断をしてくれた。町民の生活を守るため、全力で頑張る」と語った。必勝ダルマに目を入れた後は支持者の握手攻めにあった。

 五十嵐氏は開票結果を受け、支持者が待つ押切中公民館に姿を見せ、「私が至らず残念な結果となり、皆さんにおわび申し上げたい。選挙結果は受け入れるが、第三子に100万円を支給するなどの甘い公約を多くの町民が受け入れた結果が将来、町にとってどのように影響するのか。リーダーの今後の言動、行動を一町民として監視していきたい」と述べた。

 また、選対の総括責任者の梅津泉町議は「この結果を素直には受け止められない。三川町民の判断に甘いところがあったと思うが、良識はまだ残っており、正しいものではないと確信している」とした上で、「合併を進める町民の会としてはあきらめることはできない。来年の町長選挙に向け、対抗馬を出して、もう一度町長を変えていく気構えで頑張りたい」と述べた。

 投票率は激戦を反映して前回選挙(2003年2月)を1・47ポイント上回る83・77%、当日有権者数は6305人(男2998人、女3307人)。

開票結果(町選管確定)
当3,239阿部  誠 54無前
 2,002五十嵐 司 70無新

阿部  誠氏
 ▽略歴=鯉渕学園卒。みかわ振興公社社長、町社会福祉協議会長。当選2回。

一騎打ちを制し支持者とともに万歳する阿部氏(中央)=5日午後10時ごろ
一騎打ちを制し支持者とともに万歳する阿部氏(中央)=5日午後10時ごろ



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