2007年(平成19年) 10月14日(日)付紙面より
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荘内地蔵菩薩霊場協会(小池公雄会長)は設立10年の記念誌として、庄内地方で地蔵菩薩を祭る八十八カ所の霊場(寺社)を紹介した『巡礼のみちしるべ』を発刊した。各霊場の案内やご詠歌も掲載されており、同協会では「巡礼する時の役に立てば」と話している。
同協会の前身・荘内水子地蔵菩薩協会は1980年に設立され、八十八霊場の巡礼や水子授戒などが執り行われてきた。しかし90年代に「水子供養が母なる女性に対して『罪業』観念を背負わせ、女性差別・蔑視(べっし)につながる恐れがある」などの問題を重視し、94年に協会を解散した。その後、正しい地蔵信仰と教化実践のため3年後の97年に荘内地蔵菩薩霊場協会を設立し、「荘内地蔵菩薩八十八霊場」が再出発した。
昨年の初夏、同協会の総会で設立10周年記念事業について話し合ったところ、「記念として残るもの」として各霊場を紹介する冊子の製作が決まった。同年末から寺院の写真、朱印など資料集めが始まり、半年以上かけて資料をまとめた。
『巡礼のみちしるべ』は庄内の旧14市町村に散らばる八十八霊場を全体地図で網羅するとともに、各寺院の解説とご詠歌、ご詠歌の節、朱印のほか、本堂や祭られている地蔵尊のカラー写真を掲載した。
小池会長は「地蔵菩薩は釈迦の入滅後、56億7000万年後の弥勒菩薩出現まで現世に仏が不在となってしまうため、六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道)を巡って衆生の悩みや苦しみを引き受け、救うという仏さま。賽の河原で石を積み上げる子供たちを救い極楽へ導く役目を担っており、子供からお年寄りまで拝まれる身近な仏さま」と話し、「巡礼に出なくても、本を通して地蔵菩薩を拝んでもらいたい」と語った。
A4判、186ページ。初版は300部で八十八カ所の各寺院を通して購入できる。問い合わせなどは荘内地蔵菩薩霊場協会事務局の龍蔵寺=電0235(22)7886=まで。
庄内の八十八霊場を紹介する『巡礼のみちしるべ』を持つ小池会長