2007年(平成19年) 10月16日(火)付紙面より
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コイヘルペス(KHV)に感染したコイが確認された鶴岡市の鶴岡公園で15日、水を抜いた後に残った水生生物の捕獲作業が始まった。
同公園を管理している市都市計画課は対応として、内濠の水を近くの内川に流さないよう水門を閉鎖するなどの措置を講じる一方、下水管を設置して内濠の水約9000トンをポンプでくみ上げた後、濠内の消毒、中和、養生作業で水質を元に戻す計画を立てている。
排水作業は今月9日から約1週間かけて行われ、平均で水深50センチほどあった内濠の水はほとんどなくなり、水底が姿を現した。13日にハクチョウ4羽を保護して鳥小屋に移動させ、15日からは水底に残った生物の捕獲作業に移った。
この日の作業は市都市計画課の職員や業者など8人で行われ、大きなタモ網を使って水底をすくった。このうち菖蒲園中州周辺ではマゴイ一匹のほか、甲羅の長さが約30センチのミドリガメ、ナマズやフナの稚魚などを捕獲した。また、殻長25センチほどに大きく成長したカラスガイも見つかった。
同課によると、捕獲作業は2―3日で終了する予定。捕獲したコイを処分するほか、それ以外は越冬池や水槽などで保護し、水位が回復した後、濠内に戻すという。
水を抜いた内濠で残った生物の捕獲作業が行われた=15日
2007年(平成19年) 10月16日(火)付紙面より
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六十里越街道フォーラムが13日、鶴岡市田麦俣の大網小学校旧田麦俣分校で開かれ、パネルディスカッションなどを通じ、街道の持つ魅力や可能性について考えた。
庄内と内陸を結ぶ古道・六十里越街道を生かした地域振興の道を探るため、県や鶴岡市、西川町、地元の関係団体などが4年前から開催し、今年で5回目。約80人が参加した。
鶴岡市出身で西川町総合開発審議会委員でもある実践女子大教授の松田義幸氏が「出羽三山の世界遺産への視座」と題して講演。出羽三山地域の自然や歴史などについて解説した。
続いて松田氏をコーディネーターに県立酒田西高校長の春山進氏と国土交通省酒田河川国道事務所長の俵谷祐吉氏が「六十里越―赤川・寒河江川・最上川から世界遺産を考える」をテーマにパネルディスカッションを繰り広げた。
春山氏は「死生観が宗教の始まりであり、湯殿山の場合はご神体に凝縮されている。現在は生と死について全く考えなくなった。そんな時代に書かれたのが森敦の『月山』だった」などと語った。俵谷氏は国交省が取り組んでいる日本風景街道について説明。昨年度、モデルルートに応募した六十里越街道を東北風景街道協議会の委員が視察した際、「観光客を呼び込むには首都圏のアンテナショップとの連携が必要などの意見が出た」と紹介した。
最後に「六十里越街道を共通の資源、文化遺産として据え直し、行政区を超えて誇りある歴史と文化、心の共同体を築いていく」という共同宣言を採択した。
六十里越街道の魅力、可能性を探った