2007年(平成19年) 9月29日(土)付紙面より
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酒田市の市福祉乗り合いバス「るんるんバス」3台が老朽化に伴って更新され、28日から各路線に配備された。
るんるんバスは、友好都市・東京都武蔵野市の「ムーバス」をモデルに1998年10月、交通弱者ら市民の足として市街地を巡る2路線でスタート。現在は市役所や病院などを通る10路線で運行されている。今回はバス7台のうち、スタート時から使って走行距離が50万キロを超え老朽化が激しい3台が更新された。
新たに配備された3台は、乗客定員33人の小型バス(座席12)。床面は段差がない上、地面からの高さが通常は31センチ、乗降時にはさらに26センチまで低くでき、高齢者らも楽に乗り降りできる。車いす用に乗降口にスロープを設置し、車内に車いす1台を固定できる。また、乗降口のドアはスライド式で、従来の折りたたみ式のような隙間風への苦情もなくなるとみられる。更新費用は3台分で4400万円。
27日には市役所前で1台が納車された。担当の市商工港湾課職員は「市民に、より快適に利用してもらえれば」と話していた。
納車された新しい「るんるんバス」
2007年(平成19年) 9月29日(土)付紙面より
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庄内空港の庄内―札幌線が廃止されることになった。運航する全日空が28日午後にも同路線の廃止届を国土交通省に提出する。県は今後、同社が計画している乗り継ぎ割引運賃制度について、庄内―東京―札幌への適用とともに、低廉で効果的な乗り継ぎ制度となるよう要望を強めることにしている。
庄内―札幌線の廃止は、同日開かれた県議会建設常任委員会で、高村義晴土木部長が報告した。
県によると、今月21日に全日空の関係者が訪れ、庄内空港利用振興協議会と県に対し、2007年度限りで路線を廃止することを伝えた。
廃止の理由について同社は、本年度運航した7、8月の2カ月間の平均搭乗率が45・4%となり目標の70%の達成がかなわなかったことに加え、原油高騰に伴う燃料費の高止まりが経営を圧迫しているため、地方の不採算路線の廃止が不可避な状況となっていることを挙げたという。
一方で、同社は来年4月以降に航空路線の乗り継ぎ割引運賃制度の導入を計画していることを示し、羽田空港を経由して庄内と札幌を結ぶケースにもこの制度の適用を検討していることを伝えたという。
庄内―札幌線は昨年度まで5―10月の運航だったが、平均搭乗率が28・9%と低迷。全日空は本年度の運航を7、8月の2カ月に短縮するとともに、この期間の平均搭乗率が70%を下回った場合には来年度以降の運航を休止する方針を示していた。
平均搭乗率が目標を下回った結果を受け、今月11日には齋藤弘知事、19日には庄内空港利用振興協議会長の富塚陽一鶴岡市長らがそれぞれ全日空に対して路線の存続を要望した。
県などは今後、乗り継ぎ割引運賃の適用を念頭に、庄内―東京線の利便性をさらに向上させるため、5便化への増便とともに割引制度の拡充を、全日空に要望していく方針。