2008年(平成20年) 5月21日(水)付紙面より
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「庄内三大祭り」のトップを飾る酒田まつりの本祭りが20日、酒田市の中心市街地で繰り広げられた。呼び物の山車行列はあいにくの小雨模様となったが、48団体の約2000人が、伝統を復活させた「傘鉾(かさほこ)」など趣向を凝らした山車で練り歩いた。また、前日19日に中合清水屋店前で行われた前夜祭では、電飾を施した山車の巡行など新たな試みに、大勢の見学者が訪れにぎわった。
酒田まつり(旧山王祭)は江戸・慶長14(1609)年に始まり、1979年から酒田大火(76年)の復興を祝い市民を挙げた祭りにしようと現名称に改称した。来年で400周年となることから、同まつり実行委員会(前田稔実行委員長)は「酒田まつり創始400年祭」と銘打ち、今年を前年祭、来年を本年祭と位置づけ、多彩な趣向で盛り上げを図っている。
20日正午からは、中合清水屋店前で「式台の儀」を行った後、松山藩荻野流砲術隊の演武などに続き、午後1時に山車行列が同店前を出発。市役所前、大通り、寺町通りを通る約1・3キロのコースを巡行した。酒田のまちを象徴する大獅子をはじめ、明治半ばごろから途絶えていた番傘につるし飾りをあしらった傘鉾6基などが次々にくねった。あいにくの小雨模様となったが、沿道には大勢の見物客が詰めかけ、威勢のよい祭りに見入った。
一方、前夜祭は、2004年までは中央公園で歌謡ショーなどのイベント、2005年から昨年までは市民参加型への転換として市役所駐車場で伝統芸能の披露などを行ってきた。今年はさらに新たな試みとして、初めて路上に会場を移し、電飾を施した酒田青年会議所の山車2基と庄内町の飛竜、みこしの巡行、門田神楽と黒森歌舞伎の披露などが行われた。夜空にくっきりと浮かび上がる迫力の山車に、沿道を埋めた見物客から拍手と声援が送られていた。
伝統の傘鉾や大獅子などが練り歩いた山車行列