2008年(平成20年) 3月16日(日)付紙面より
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母国語で庄内の魅力を伝えて―。庄内観光コンベンション協会は、東アジアからの観光客の受け入れ態勢整備の一つとして、庄内地域に在住する中国、韓国出身者による外国語観光ボランティアガイドの育成に取り組んでいる。14日、同総合支庁で初の研修会が開かれ、希望者がガイドの心得などを学んだ。
近年、県内を訪れる中国、韓国、台湾など東アジア地域からの観光客増加を受けたもの。本年度は、庄内在住の中国、韓国出身者を対象に意向調査を実施したほか、中国語とハングルの2カ国語で庄内を紹介するテキストブック作成などに取り組んできた。
研修会は、新年度から育成事業が本格化することに伴い、ガイドについて理解を深めてもらおうと開いた。中国、韓国出身で鶴岡、酒田両市に在住する希望者36人のうち、女性12人が参加した。
庄内地域を四季ごとに紹介したビデオで、観光名所や食、自然などのポイントを学んだ。続いて、庄内地域ボランティアガイド協議会の砂山弘会長が観光ボランティアの役割と活動内容などを解説した。
砂山会長は「お客さんが庄内に何を期待し、知りたいのかを聞き、要望に沿うことが大切。楽しみ、触れ合い、学ぶことを忘れないこと」と心得を伝授。さらに「最初は失敗するのが当たり前。失敗を重ねて成長しましょう。出身地の言葉で庄内の魅力を伝えてください」と激励した。
酒田市の国際交流サロンで、中国出身者に日本語を教えるボランティア活動をしている佐藤百恵さん(酒田市在住)は「中国から10年前に酒田に来た時、日本語を教えてくれたボランティアの方々に恩返しの意味も込めて申し込んだ」と話し、「庄内の良さを観光客に伝え、いっぱい日本に来てもらいたい」と抱負を語った。
同観光コンベンション協会によると、ガイド希望者は鶴岡、酒田の各観光ボランティアガイド組織に登録してもらう。08、09年度の2カ年で、実地研修や観光施設視察など年間数回の研修を行い、外国語観光ボランティアガイドの育成を図っていく。
外国語観光ボランティアガイドを目指し、研修を受ける参加者たち