2008年(平成20年) 6月7日(土)付紙面より
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鶴岡市役所本所庁舎で、今年もゴーヤによる“グリーンカーテン”がお目見えする。植物で窓や壁面を覆い庁舎内の暑さを抑える取り組み。昨年度初めて試行し、室温低下に一定の成果があったことから引き続いて実施する。本年度は市環境部庁舎や市内の小学校にも取り組みが広がりつつある。
グリーンカーテンは、地球温暖化対策として注目されている取り組みの一つ。つる性の植物で建物の窓などを覆って日差しを和らげるとともに、葉が発散する水蒸気で周囲の熱を奪うため冷房効率を高める効果がある。自治体や学校、企業などで取り組む例が全国的に増えている。
鶴岡市環境課では、省エネ対策の一環として昨年度、市役所本所1階南側の窓をグリーンカーテンで覆い、夏場の室温を低下させる取り組みを試みた。4ブロックの窓枠の下にプランターを計12個設置し計36株のゴーヤを植栽。順調につるを伸ばして葉を茂らせ、文字通り“緑のカーテン”が窓を覆った。
グリーンカーテンの効果は、市環境課が7―9月の3カ月間にわたってグリーンカーテンの有無による室内と壁面の温度の違いを検証。結果、室温は2度、壁面温は10度ほど低いことが分かった。また、室内外で葉の緑が視覚的に清涼感を与える効果もあった。
本年度は、昨年度の成果を踏まえ、南側の窓8ブロック分を覆う計画とし、ゴーヤは2倍となる72株を植栽した。さらに新たに、ゴーヤのつるをはわせるネットは漁業者から譲り受けた廃魚網、プランターは不要となったものをリユース(再利用)し、環境に配慮した。
植栽は5月末に行われ、3株ずつ苗が植栽されたプランターが市民の目を引いている。順調に育てば8月ごろにはびっしりと緑の葉に覆われたグリーンカーテンがお目見えする。プランターのそばには「グリーンカーテン育成中」の立て看板を設置し、市民に地球温暖化対策への取り組みをアピールしている。
市環境課によると、本年度は市役所庁舎のほか、市環境部庁舎や市立長沼小学校でも実施する予定。同課では「省エネや地球温暖化の抑止への意識として、グリーンカーテンの取り組みが広がってくれれば」と話している。
グリーンカーテンの取り組みで、市役所に設置されたゴーヤのプランター