2008年(平成20年) 11月5日(水)付紙面より
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国土交通省酒田河川国道事務所が進めている赤川自然再生事業の魚道設置工事に伴い、鶴岡市黒川の黒川橋下流で4日、せき止めた川に取り残された魚の引っ越し作業が行われた。
赤川自然再生事業は、サクラマスなどの生息数が減少する中で在来の多様な生物をはぐくんだ1950―60年代の河川環境を取り戻そうと、同事務所が2005年度から実施。赤川と内川合流地点(鶴岡市文下)から梵字川との合流地点(同市下名川)までの17・4キロ区間で、床止工への魚道設置や外来種樹木ハリエンジュの伐採、魚の生息環境として重要な瀬やふちの再生などを進める。
このうち魚道設置は、06、07年度に伊勢横内床止工の2カ所で設置を終え、本年度は黒川橋下流の右岸に長さ約70メートル、幅約8メートルの魚道を設置する。09年度には東岩本地区で設置工事を予定。
この日の魚の引っ越し作業には、同工事事務所や赤川漁協関係者、近くの櫛引東小4年生など合わせて約40人が参加。川をせき止めた約3000平方メートルの範囲で網などを手に、川底に残された魚がいないか探し回った。1時間弱で見つかったのは、サケやカジカ、ウグイの稚魚など約80匹。いずれも上流部のすみやすい環境に放流した。
櫛引東小の秋山菜緒さん(10)は「水が冷たかったけど、小さい魚を捕まえることができて楽しかった」と話していた。
児童も魚の引っ越し作業に参加。ウグイやカジカを見つけ、歓声を上げた