2009年(平成21年) 7月24日(金)付紙面より
ツイート
鶴岡市街地の内川周辺などで、真っ黒な羽の「ハグロトンボ」が多く見られるようになった。河川の水質や水辺環境が良くなり、昨年夏に市街地では約50ぶりに“出現”した。今年も、チョウのようにひらひらと舞う姿が市民の目を楽しませている。
ハグロトンボはカワトンボ科。お歯黒のように黒い羽を持つことからオハグロトンボとも呼ばれる。体長6センチほどで、雄は腹部が緑色、雌は全体的に黒色。水生生物が豊かで流れの緩やかな川岸に生息する。
薄日が差した22日昼すぎ、同市桜新町の新内川の土手沿いでは、ハグロトンボ数匹が乱舞する姿が見られた。ほかのトンボのように素早くは飛ばず、草花から草花へチョウのようにひらひらと、優雅なダンスを見せていた。
鶴岡自然調査会(水野重紀代表)によると、鶴岡市街地では1956年に家中新町で採取したのを最後に姿が見られなくなっていた。減農薬や無農薬の傾向の高まりや、河川に家庭排水が流入しにくくなり、市街地に戻ってきたと考えられるという。
鶴岡市街地で多く見かけるようになったハグロトンボ=22日、同市桜新町の新内川沿いで