2009年(平成21年) 10月18日(日)付紙面より
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「鶴岡シルク」のブランド化を進める鶴岡織物工業協同組合(田中尹理事長)は16日、繭から製糸する際の副産物となる「キビソ」の素材で作成したタペストリー2枚を鶴岡市に贈った。
キビソは、蚕が繭をつくる時に最初にはき出す糸。製糸の工程で繭から糸口を見つけ出す際に繰り取ったものを乾燥して素材にする。
同組合が製品開発のアドバイスを受けている世界的なテキスタイルデザイナーの須藤玲子さんなどが、キビソに着目し、2年ほど前からプロジェクトをスタート。機械で織れる細い糸にすることに成功し、生地の開発に乗り出した。須藤さんらのアドバイスを受けながら生地や製品などの試作、販路開拓を進めている。
今回のキビソ製品の贈呈は、鶴岡市役所に展示してもらい多くの市民にキビソを知ってもらおうと、田中理事長を含む関係者2人が市役所を訪れた。田中理事長が「鶴岡市のおかげでここまで発展することができた。感謝します」と須藤さんがデザインしたタペストリー(幅110センチ、長さ200センチ)を富塚陽一市長に手渡した。富塚市長は「キビソを製品にしたのは世界で初めてで、とても素晴らしいこと。市の方でも可能な限り力を貸していきたい」と述べた。
贈呈されたタペストリーは、市役所3階ロビーなどに展示される。
田中理事長(左)からキビソを素材に作成したタペストリーが富塚市長に手渡された