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2009年(平成21年) 11月10日(火)付紙面より

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「いのちの落語家」樋口さん訴える 鶴岡で緩和ケア講演会

 がん患者が直面するさまざまな問題の解決に取り組む医療「緩和ケア」についての市民公開講座が7日、鶴岡市中央公民館で開かれた。がん治療の経験がある「いのちの落語家」で作家の樋口強さんが講演と創作落語を通して、心豊かに生きることの大切さを訴えた。

 鶴岡、三川の2市町地域は昨年度、厚生労働省のがん対策の戦略研究「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」で全国4カ所のモデル地域の一つに選定された。この一環で鶴岡地区医師会を中心に病院や医療従事者らで組織した「庄内プロジェクト」(地域責任者・松原要一荘内病院長)と、慶應義塾大先端生命科学研究所「からだ館」がん情報ステーションが昨年6月を皮切りに市民公開講座を開いており3回目。患者側の視点を重視した今回のテーマは「地域で支えるがん緩和ケア―こころに笑いを、体に癒やしを!」。

 樋口さんは1952年兵庫県生まれ。新潟大法学部卒業。サラリーマンだった96年に生存率が極めて低い肺小細胞がんになり、手術と抗がん剤治療を経て、現在もリハビリを続ける。年に1度、東京・深川で「いのちに感謝の落語独演会」を開くなど、「笑いは最高の抗がん剤」として創作落語を発表。『最近、あなた笑えてますか』『生きてるだけで金メダル』などの著書がある。全日本社会人落語協会副会長。

 著書のタイトルでもある「生きてるだけで金メダル」と題して講演した樋口さんは、笑いについて「500人いれば500通りの心豊かな生き方がある。つらいことがあっても心豊かになれる場所、時間、人などを持てばいい。それに共通するのが笑い、笑顔」とした。小噺(こばなし)を交えながら、緩和ケアについては「自分が何をしたいのか、どう生きたいのかをはっきりさせる。そうすれば医療関係者や家族がサポートしてくれる。それはわがままではない」と語った。

 さらに、「薬は体に、笑いは心に効く」など輝いて生きる“3つの知恵”を紹介しながら「例えばがんになってつらい思いをしても、支えてもらいながら歩く命はそれだけで金メダルだと思う」と締めくくった。引き続き、自身の闘病生活を伝える「いのちの落語 病院日記」を語った。

 講演に先立ち、医師や看護師ら庄内プロジェクトのメンバーが、がんの告知から治療、退院後の在宅ケアまでを患者側の感情を交えて分かりやすく説明する寸劇「あなたが、家族が、がんと診断されたら」を披露した。

緩和ケアの市民公開講座で講演する「いのちの落語家」の樋口さん
緩和ケアの市民公開講座で講演する「いのちの落語家」の樋口さん



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