2009年(平成21年) 12月31日(木)付紙面より
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鶴岡市下川の善寳寺で29日、新年を迎える準備のもちつきが行われた。正月に仏様に供えるもので、僧侶たちが「来年1年間が良い年となりますように」と願いを込めてついた。
同寺では、今月10日ごろから新年を迎える準備に取り掛かり、25日には本堂などのすす払いを済ませた。もちつきは年の瀬の恒例行事となっており、鏡もちにして本堂のご本尊をはじめ境内各所にまつられた仏様や、福徳をつかさどる歳徳神にお供えする。
この日用意されたもち米は5斗(約20キロ)。このうち一部がほぼつき上がった状態で木製のうすに入れられ、正面出入り口付近に置かれた。行事が始まる合図の鐘の音が響き、約20人の僧侶が読経しながら次々と棒状のきねでうすの中のもちをついた。
もちはすべてつき上げると100個余りになり、この日のうちにすべてお供えされる。僧侶の1人は「新年を迎える行事はこのもちつきが最後。いよいよ年が明ける」と話していた。同寺には大みそかの31日から大勢の信徒が足を運び、1月1日午前零時に新年のご祈とうが行われる。
2009年(平成21年) 12月31日(木)付紙面より
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鶴岡市農協管内の長ネギ生産農家で、冬季限定となる同農協の商品「雪中軟白ねぎ」の収穫が始まった。一般の長ネギに比べ柔らかく甘みが強いのが特徴で、関東方面に多く出荷されている。1月20日ごろが収穫の最盛期という。
軟白ネギはハウスで栽培され、同市ではメロンの後作による西郷地区の生産が盛ん。ある程度成長したところで黒いシートで覆って光を遮断し、「白根」と呼ばれる白い茎の部分を一般のネギより長くする。「適度な湿度と低温でじっくりと育ち、より甘みが増す」(同農協)ため、10年ほど前から12―3月の出荷に限って「雪中軟白ねぎ」の商品名で販売している。
同農協によると、「雪中」を含めた管内の軟白ネギ全体の作付面積は年々増加し、昨年度は650アールの作付けで190トンの生産があり、出荷額は約7000万円に上った。本年度は700アールで200トンの生産を目指す。
同農協長ねぎ専門部の約140人の生産者のうち、最も広い25アール(ハウス4棟の合計)に作付けしている同市茨新田の近藤則昭さん(38)方では、12月初めから収穫作業が本格化。ハウス内で長さ1メートルほどに成長したネギを、黒い覆いを取り除いて1本1本丁寧に抜き取る作業が続く。抜き取った後は外皮をむき、大きさごとに袋詰めして農協に出荷している。
一般の長ネギより辛味も少なくサラダなどの生食にも向き、火の通りも早いといった特徴もある。「作柄はまずまず。細長く刻んでしゃぶしゃぶにすると、甘さが増してとてもうまい。普通のネギとの違いがはっきり分かります」と近藤さん。同市内の飲食店では、評判を聞いてこの冬、雪中軟白ねぎの「ネギしゃぶ」をメニューに加える店も出てきた。「魚介のだしによく合う」という。
漬物製造の帯谷食品(同市茨新田、帯谷安弘社長)は今冬、浅漬けタイプの雪中軟白ねぎのしょうゆ漬けを、関東方面を中心に本格販売。「冬場の商品ラインナップの中で一番の売れ行きです」と話していた。