2009年(平成21年) 12月30日(水)付紙面より
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鶴岡市出身の絵本作家、土田義晴さん(52)=東京都在住=が来年の干支(えと)「寅(とら)」を描いた大絵馬が29日、出羽三山神社に奉納された。来年1年間、合祭殿の拝殿に飾られる。
土田さんは以前、同神社の緒方久信宮司と荘内日報紙上で対談。これをきっかけに神社側から絵馬のデザインを依頼され、2004年の干支「申(さる)」を皮切りに毎年この時期、自ら描いた大絵馬を奉納している。今年で7年目。
大絵馬は羽黒杉の一枚板で作られ、縦約60センチ、横約90センチ。アクリル絵の具で、雄々しいトラの姿と背景に竹林などを描いた。
この日は土田さんが同神社合祭殿を訪れ、奉納奉告祭が行われた。祝詞奏上に続き、土田さんが玉ぐしをささげるなどし、緒方宮司に大絵馬を手渡した。土田さんは「災いを迎え撃つ、勇壮なイメージで描いた。災いは不況なのか何なのかは分からないが、跳ね飛ばす勢いで」と話していた。
同神社では、この原画を元にした破魔矢に付ける絵馬などを新年から販売する。
2009年(平成21年) 12月30日(水)付紙面より
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来年3月に酒田市で開催される「第3回日本三大つるし飾りサミットin酒田」をPRしようと、酒田に伝わる「傘福」をはじめ三大つるし飾りを集めた展示会が、同市の商工中金酒田支店(黒木研治支店長)で開かれている。
傘福、静岡県東伊豆町稲取の「雛(ひな)のつるし飾り」、福岡県柳川市の「さげもん」が日本三大つるし飾りとされている。
傘福は江戸時代、酒田に伝わったとされる。着物のはぎれや不用の布団などを使ってイヌやフクロウ、庄内柿、ダイコン、ニンジン、座布団などさまざまなものをモチーフにした布細工を作り、それらを1本の糸でつるす。子供の健やかな成長を願ってひな祭りの際などに神社に奉納したという。傘福同様、雛のつるし飾り、さげもんも子供の成長を願い現在まで受け継がれてきたという。
サミットは、それぞれの地域で伝承活動に取り組んでいる団体が一同に集まり、互いのつるし飾りについて理解を深めようと、2008年2月に東伊豆町で第1回が開かれ、今年3月には柳川市で第2回が開催された。
3回目となる酒田のサミットは、来年3月6日午後1時半から酒田市のホテルサンルート酒田で開かれる。3地域の代表がそれぞれの由来と歴史的背景について語るほか、つるし飾りシンポジウムが行われる。
展示会は、同支店と庄内商工中金会(齋藤成徳会長)、中金庄内ユース会(西村修会長)が、酒田商工会議所女性会(守屋順会長)の協力で企画。いずれも女性会メンバーが製作した傘福、雛のつるし飾り、さげもん計9体が並んでいる。
このうち傘福では、緋(ひ)色の傘の下にタイや亀などを模したもの、御殿まり、宝袋、打出の小槌(こづち)などの縁起物を模した布細工が連なっている。来店客らはじっくりと鑑賞し「きれい」などと話していた。
同支店では「一針、一針願いを込めて縫い上げられた作品を見てほしい」と話している。展示は来年1月29日まで(12月31日―来年1月3日を除く)。