2010年(平成22年) 12月26日(日)付紙面より
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死傷者38人を出した庄内町榎木のJR羽越本線特急「いなほ14号」脱線・転覆事故は25日、発生から5年を迎えた。積雪こそ少ないものの、5年前同様、雪を伴った強風が吹き荒れる中、事故現場に建つ慰霊碑には午前中からJR東日本関係者らが訪れ、犠牲者の冥福を祈る姿が見られた。
2005年12月25日午後7時14分ごろに発生した脱線・転覆事故では5人が死亡、33人が重軽傷を負った。08年4月、国土交通省航空鉄道事故調査委員会(当時、現・運輸安全委員会)は「局所的な突風が事故原因」とする最終報告書を公表した。
県警の捜査本部は昨年12月、事故発生当時、暴風雪・波浪警報が出ていたにもかかわらず、運行を一時中止するなどの事故回避措置を怠ったとして、いずれも列車の運行を管理していた同社新潟支社の当時の輸送指令の責任者3人を業務上過失致死傷容疑で山形地検に書類送検。山形地検は今年3月、事故発生当時の気象観測技術の精度などを検討した結果、「局所的な突風を予測することは不可能で、刑事責任は問えない」と判断し不起訴処分とした。
慰霊碑は、犠牲者の冥福を祈るとともに、事故の重大さを社員全員で認識しようと、JR東日本が06年に建立したもの。高さ3・6メートルの三角形の御影石が2つ、人が合掌する姿をイメージし並ぶ。中央には献花台、右側には石碑が配置されている。
この日は午前9時、慰霊碑を覆う巨大テントの鍵が開いた。あいにくの天候もあり午前中、献花に訪れる人はまばら。同10時ごろには清野智社長はじめ同社役員が訪れ、慰霊碑前まで歩を進めて献花台に花を手向けた後、頭を下げ静かに手を合わせていた。
2010年(平成22年) 12月26日(日)付紙面より
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鶴岡市下川の善寳寺(五十嵐卓三住職)本堂で25日、年末恒例のすす払いが行われ、僧侶たちが長い竹ぼうきで1年間たまったほこりを払い、初詣でに備えた。
毎年12月25日に行っている。この日は午前8時すぎ、僧侶約10人が長さ4メートルほどの竹の先に青いササを付けたほうきを使い、すす払いを行った。
僧侶たちは黒い作務衣(さむえ)に白いタオルで頭と顔を覆ったいでたち。長い竹ぼうきを持った手をさらに伸ばし、本堂中央の天蓋(がい)や太い梁(はり)の上、寺号の掲額、複雑に入り組んだ木組みの陰などを丁寧にはたき、ほこりを落としていた。
同寺ではこの時期、元日から龍王殿で行う「三が日祈祷(とう)」用のお札書きに忙しい時期。御利益が高いとして全国から申し込みがあり、僧侶たちが書き込んでいる。29日午後には恒例のもちつきも行われる。僧侶の一人は「新年を迎える準備が着々と進み、気持ちが徐々に引き締まっていく」と話していた。