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2010年(平成22年) 12月4日(土)付紙面より

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広州アジア大会銅メダリスト 貫名さん(鶴岡出身)が凱旋 ダンスパーティーにゲスト出演

 銅メダルのアジア大会を超えるパフォーマンスを見せたい―。鶴岡市出身でダンススポーツ選手の貫名強(ぬきな・つよし)さん(27)=東京都文京区在住=が、日本代表として先月開催された広州アジア大会に柴原まりこさん(27)=長野県出身=とのペアで出場し、スタンダード・スローフォックストロット競技で銅メダルに輝いた。貫名・柴原ペアは今月18日に酒田市内で開かれるダンスパーティーにゲスト出演。貫名さんの“銅メダル凱旋デモンストレーション”となる。

 貫名さんは朝暘三小、鶴岡一中、鶴岡南高を卒業。進学した電気通信大でダンススポーツ競技を始めた。学生時代にペアを組んだ柴原さんとともに頭角を現し、昨年度の国内ランキング2位とトップアマに成長。第16回の今回からアジア大会の正式種目となったダンススポーツの日本代表に選出された。

 イタリアで演技を磨くなどして臨んだ大会。9組が出場したスローフォックストロットで緊張の中、「自分たちのベストパフォーマンスが出せた」というダンスで銅メダルを獲得した。ペアはスタンダード5種目総合でも僅差の4位と活躍した。

 大会後、先月27日にドイツで開催された世界選手権にも日本代表として初めて出場した貫名さん。帰国後、アジア大会を振り返って「メダル獲得が目標だったので、本当にうれしかった。お世話になった鶴岡の人たちにも、成長した姿を伝えることができて良かった」と喜びを語った。広州に応援に駆けつけた父親で山形大農学部教授の学さん(61)は「日本代表という重圧の中、しかも完全アウエーというあの状況で本当によく頑張った」、母親の紀代美さんは「1分50秒という短い競技時間に、これまでの長い苦労が凝縮されていた。その姿に感動した」と話す。

 「ダンスを通して多くの人に夢を与えたい」と語る貫名さん。凱旋となるパーティーでは「これまで応援を頂いた地元の皆さんに感謝の気持ちを込め、アジア大会以上のパフォーマンスを見せたい」と意気込んでいる。

 貫名・柴原ペアが出演する日本ダンススポーツ連盟県庄内支部主催のダンスパーティーは、18日午後5時から酒田市総合文化センターで開催。問い合わせは支部長の松浦旭さん=電0235(22)9003=へ。

アジア大会で銅メダルに輝いた貫名さんと柴原さんのペア。18日のダンスパーティーで凱旋のデモンストレーションを行う
アジア大会で銅メダルに輝いた貫名さんと柴原さんのペア。18日のダンスパーティーで凱旋のデモンストレーションを行う


2010年(平成22年) 12月4日(土)付紙面より

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藤沢周平記念館企画展第2弾 「『春秋山伏記』と庄内」スタート

 鶴岡市立藤沢周平記念館で3日から、第2回企画展「『春秋山伏記』と庄内」が始まった。南庄内の農村を舞台に、村里に移り住んだ羽黒山伏を主人公にした藤沢周平さんの時代小説「春秋山伏記」にテーマを絞った企画展。作品の会話文はすべて庄内弁となっているのが特徴で、展示では藤沢さんが郷里の農村特有の生活文化や伝承文化を温かく描き出した作品世界を伝えている。

 今年4月に鶴岡公園内に開館した同記念館は、書斎の再現や貴重な文学資料で藤沢さんの業績を紹介する常設展示に加え、テーマを決めて作品世界を深く掘り下げる企画展を行っている。企画展は半年ごとにテーマを変えることにしており、今回の「春秋山伏記」は、開館から先月まで続いた人気作品の「蝉しぐれ」に次ぐ第2弾。藤沢作品の中でも、藤沢さんの郷里・高坂地区もある南庄内の農村を描くなど「最も郷土色の強い作品」(五十嵐和彦館長)として、開館準備段階から「蝉しぐれ」に次ぐテーマとして選定されていた。

 「春秋山伏記」は、櫛引通野平村(くしびきどおりのひらむら)という架空の農村を舞台に、羽黒山伏の大鷲坊(たいしゅうぼう)が村人のさまざまな悩み事を解決していく物語で、月山山ろくの村の情景と村人たちの素朴な営みが描かれた作品。1977(昭和52)年に雑誌「家の光」に1年間連載され、その後、単行本、文庫本として出版されている。

 企画展は3部構成で関係資料約40点を展示。第1部は、山伏を主人公にした作品を書くに至った経緯を紹介し、会話部分で「ここにはいない」を「ここさはいね」、「どうしてだ?」を「なしてだ?」など赤ペンで訂正した資料を展示して藤沢さんが生まれ育った土地に根差した言葉にこだわった様子を伝えている。

 第2部は作品世界に息づく面影をテーマに、羽黒山伏の装束一式を展示したほか、出羽三山信仰、「隠れ里」の言い伝え、往時の農村の暮らしなどを郷土資料で紹介。第3部は作品に大きな影響を与えた民俗学者で鶴岡市名誉市民の故・戸川安章さんとの交流を互いの自筆の手紙などで紹介し、併せて作品がミュージカルとして舞台化されたことも伝えている。

 五十嵐館長は「『春秋山伏記』は藤沢さんの地元に根付いた作品。作品世界に描かれた出羽三山の歴史と文化が、今も生活の一部となって伝えられている。そうした鶴岡の文化の深さを理解してもらえれば」と話している。

 企画展は来年4月17日まで。同記念館は年末年始休館のうち29日と来年1月3日を臨時開館する。30日―1月2日の4日間は休館となる。

 また、藤沢周平記念館と同じ会期で、同市羽黒町手向のいでは文化記念館では、作品の創作に影響を与えた戸川さんの羽黒山伏に関連する資料を展示した「戸川安章コレクション展―『春秋山伏記』と羽黒山伏」も開かれている。

藤沢作品の中で最も郷土色が強いとされる「春秋山伏記」を取り上げた企画展が始まった=3日、鶴岡市立藤沢周平記念館
藤沢作品の中で最も郷土色が強いとされる「春秋山伏記」を取り上げた企画展が始まった=3日、鶴岡市立藤沢周平記念館



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