2010年(平成22年) 5月29日(土)付紙面より
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鶴岡市あさひむら特産品開発協議会が、同市朝日地域に住む主婦たちが長年培った山菜料理のノウハウをぎっしり詰め込んだ“ばあちゃん手ほどき”レシピ集「やまのごっつぉ」を製作した。同地域の月山あさひ博物村などの観光施設で販売している。
レシピ集は、山里の歴史の中で各家々に伝えはぐくまれてきた食文化を後世に伝え、生活に役立ててもらおうと、朝日地域に住む主婦10人の協力の下、昨年秋に企画し、このほど発行した。
内容は「手間ひまかけて、金かけない」を合言葉に、食用菊と一緒に漬けた「わらびの甘酢漬け」やフキと油揚げを一緒にしょうゆなどで煮込んだ「ふきの煮物」、歯応えが良いミズをこんにゃくとニンジンなどと一緒にいためた「赤みずのけんちん」など、朝日地域の山から採れる山菜15種を使った料理19品を紹介している。
また、山菜を保存する塩蔵や乾物にする方法、その戻し方を分かりやすく解説しているほか、作り手の顔写真付きで料理を上手に仕上げるコツが記されている。
同協議会は「朝日地域に昔から各家庭に受け継がれてきた料理をできるだけ紹介している。1年を通して利用できるため、ぜひ多くの方に見てもらい実践してほしい」と話している。
レシピ集はオールカラー。A5判サイズで全31ページ。定価は1部500円。問い合わせは月山あさひ博物村=電0235(53)3411=へ。
2010年(平成22年) 5月29日(土)付紙面より
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県内のレストランや料亭の料理人でつくる「おいしい山形の食と文化を考える会」(早坂稔会長)や内陸の水産卸売業者などが27、28の両日、鶴岡市の鼠ケ関地区を訪問し、地元の漁業者から庄内浜で捕れた魚の食べ方を学んだ。
同会は県内の約60店舗で構成し、新庄市や米沢市など内陸を中心に優れた食材の産地巡りや、高校生が料理のアイデアと味を競う「食の甲子園やまがた大会」などを実施している。
今回、庄内の新鮮な水産物をはじめ、野菜などの食材を県内に広く周知するとともに利用促進を図ろうと、鶴岡市の協力で初めて庄内地方の産地巡りを企画した。
この日は早坂会長と事務局の揚妻奉昭さん(山形市)、天童市の水産卸売業者ら6人が訪れ、鼠ケ関青年海洋センターで「庄内浜の魚の食べ方講習」を受けた。県漁協本所(酒田市)販売企画課の阿部勝樹さんと同漁協念珠関支所女性部のメンバー合わせて4人が、「ミズダコ頭の刺し身」「ハタハタの湯揚げ」「アカラ(ヤナギノマイ)の甘辛揚げ」「ノロゲンゲの煮付け」など約10品の料理を作るのを見学し、「ハタハタは栄養を蓄える6月ごろからが旬」「アカラは身を開いて骨を取り除き、30分ほどかけてカラカラに揚げる」などとレシピを聞いた。
鼠ケ関漁港で夕競りを見学した後、同センターに戻って出来上がった料理を食べながら、漁業者らと懇談。早坂会長は「鮮度が違う。おいしい」と話した。その一方、「庄内浜で捕れた魚の多くが県外に出荷され、良い魚は内陸に出回らない。おかげで内陸では魚の食べ方が広がらない」という話も出た。
揚妻さんは「“浜の母ちゃん”たちに会えたことが最大の収穫。旬の魚の食べ方は皆さんに聞かないと分からない。流通システムを作るのも良いが、もっと内陸の人と庄内の人が対面して情報などを伝えるべき」と呼び掛けていた。
翌28日は同市羽黒地域を回り、農産物の収穫などを見学した。