2010年(平成22年) 7月31日(土)付紙面より
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酒田市眺海の森天体観測館(館長・和島繁輝市社会教育課長)が主催する「夏休み ほしぞら教室」が30日、市総合文化センターで開講した。計2回にわたって参加児童たちが天体望遠鏡の組み立てに挑戦したり、その望遠鏡を使って星空を観測する。初日は望遠鏡に関する講義を聞いたほか、実際に組み立て作業に取り組んだ。
子供たちから「科学するこころ」を養ってもらうとともに、宇宙や星空に興味を持ってもらおうと、同観測館では旧松山町時代の20年ほど前から毎年この時期、児童と保護者を対象にした教室を開催。今年は市内全域から児童と保護者11組計22人が参加した。
はじめに、同観測館の運営に携わっている鈴木徳実さん(同市竹田)が天体望遠鏡の歴史や性能について解説。「天体望遠鏡は像がひっくり返って見える。初めて見る人は『なんで?』とびっくりすると思うが、長い間使っていると慣れてくる」「望遠鏡はもともと戦争のために使用した。城下町・松山には戦争のために使った望遠鏡が残っている」などと話した。
引き続き、児童たちは紙パイプでできた簡易の天体望遠鏡の組み立て作業に挑戦。鈴木さんから「接着はきちっとするように」「レンズは手で触らないこと」などと指導を受け、保護者と協力し作業していた。
第2講は、8月4日午後7時半から同観測館で行われ、今回組み立てた天体望遠鏡を使って実際に星空を観測する。
2010年(平成22年) 7月31日(土)付紙面より
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300年余り前に松尾芭蕉もたどった酒田市光ケ丘地区の里道を、路面に木材チップを敷き詰めて再整備した「奥の細道古道」の開通式が29日、市相撲場駐車場そばの古道南端で行われ、整備作業にかかわった地元住民らが歩き初めした。
整備したのは、同地区から北側一帯に広がるクロマツ林「万里の松原」の保全などに取り組んでいる団体「万里の松原に親しむ会」(三沢英一会長)。先人が築いた貴重な遺産を次代に引き継ごうと2001年に結成。現在は個人100人余りと15団体が加入し、森林整備や環境美化などの活動を精力的に続けている。
元禄2(1689)年、芭蕉一行が往来した「奥の細道古道」の復活は、同会にとってもかねてからの懸案。そばで酒田新高校(仮称)の建設が始まって里道の存在がはっきりしたこともあり、会の10周年記念事業として再整備することにした。
5月に作業着手。整地や路肩の補強などを行った後、3―5センチほどのクロマツチップを幅1・5メートルの路面に、延長約250メートルにわたって敷き詰め、先月までにほぼ完成させた。使用したチップは2トントラック3台分。材料は新高校建設のために伐採されたクロマツの根っこなどで、地元の建設会社が破砕に協力した。
開通式は、芭蕉が321年前に酒田を訪れたこの日(旧暦6月13日)に設定。同会のメンバーら約40人が参加した。古道整備に合わせて市が製作した解説看板を除幕。三沢会長が「この道を歩きながら、歴史を語り夢を膨らませ、いにしえに思いをはせていただきたい。これからも、周辺一帯を市民の憩いの場、教育の場として利活用できるよう、汗をかいていく」とあいさつした。
阿部寿一市長が「いい仕事をしてもらった。市民の財産が増えた。足に優しいこの道を、市民や観光客に知ってもらうため、われわれも協力する」と述べた後、三沢会長らとテープカット。引き続き参加者全員で歩き初めを行い、ウッドチップによって弾力あふれる道に生まれ変わった古道の感触を味わった。